名古屋市中央卸売市場南部市場で12月8日、南部市場出荷団体協議会主催による「令和7年度 第2回肉牛枝肉共励会」が開催された。今回は愛知、岐阜、富山、長野、宮崎、鹿児島の6県から計140頭が出品。厳正な審査の結果、愛知県知事賞、名古屋市長賞など入賞牛5点が選ばれた。
冒頭あいさつで同協議会・成田英樹会長(名古屋食肉市場社長)は今年を振り返り、「日本全国で記録的な猛暑となり、牛の肥育にも深刻な影響があったことと思う。生産コストの高騰も含め、生産者の皆さまは大変苦労された年であったろう。またこの1年は、コメ価格の高騰に代表される物価上昇により消費者の生活防衛意識の高まりから、高価格帯の牛肉、特に和牛についてはなかなか手が出ない状況が続いた」と、肉牛生産を取り巻く厳しい環境を慮った。

続けて大阪・関西万博が成功裏に幕を閉じたことに触れ「来年はこの地域でアジア競技大会が開催され、国内外から多くの方が当地を訪れることが見込まれる。万博の良い流れがこの東海地方にも及ぶことを期待する。そうした機会に、皆さまが丹精を込めて生産したおいしい牛肉を多くの方々に召し上がっていただくよう、私どもも関係各所との情報収集に努め生産者の皆さまのお役に立てるよう業務に取り組んでいく」と語った。
審査講評では、日本食肉格付協会・和仁達朗名古屋事業所所長が「和牛、交雑種とも全国平均を大きく上回る素晴らしい成績」と称賛。午後から行われたセリでは、名古屋市長賞を獲得した桑原英実氏出品の肉牛が3502円の最高値をつけた。
