コメの価格高騰が食品業界に様々な影響を及ぼしているが、菊水酒造(新潟県新発田市)の髙澤大介社長は「日本の農業政策ではもっと産業用のコメにも目を向けて欲しい」と訴える。
「もちろん主食用米は大切で、当社はコメの加工品を生業とさせていただいている一企業」と前置きしつつ、「われわれは原料となるコメを磨き、醸して付加価値のある日本酒を製造。それを原料米に比べて数倍から10倍くらいの価格で販売している。企業として利益を生み、雇用も守っている。農家から消費者にわたるコメとは付加価値のつけ方がまったく違う」ことを強調した。
本紙のインタビューでコメ政策について語ったもの。「地元の新潟には日本酒以外にも米菓、包装餅、包装米飯などコメを主原料にした加工食品メーカーは多い。それぞれが製品化して付加価値を大きく高めている。産業という観点でみると経済的なインパクトは決して小さくない」とコメント。
現況について「国や県が高騰したコメに補助金を出していただければ解決する単純な問題ではない。加工用米の制度はあるものの、コメ加工業が産業としてしっかりと位置付けられることが重要ではないか」との想いを語った。


