「生ハムの日」のイベントが11月11日、東京・表参道のレストランで行われた。
「正しい生ハムの知識普及」を目的として15年に設立された、日本生ハム協会による恒例の催し。生ハムを扱うプロであるエキスパート資格試験合格者に認定証が授与された。
また会場ではエキスパートらがその場でカッティングした各地の生ハムを、参加者はワインやシェリーとともに楽しんだ。
この日は生ハムの国内小売市場に関する、協会の調査結果を発表。スーパーやコンビニなど8社で定点比較を行ったところ、今年8月時点の商品アイテム数は前年同月と比べて110%と増加した。
ただ大きく増えているのは、熟成を行わない日本式の製法を中心とした国産品と、スペイン産の廉価品。一方で高価なイベリコハムもアイテムが増え、消費の二極化がみられるという。
協会の渡邉直人代表理事は「小売市場では、残念ながら日本式製法のものが2割ほど増えて年間1万tを超えている。かたやヨーロッパからの輸入は2000t台。本来の生ハムと日本のものがどう違うのかを説明できるエキスパートの役割がとても大事だ」と強調。長期熟成によるうまみやコクが大きな特徴である、生ハム本来のおいしさの認知拡大へ意欲を示した。
世界初「生ハムのオスカー賞」 日本人が受賞
また国際生ハム研究機関のインターハムが今年初めて創設した「生ハムのオスカー賞」で、日本人コルタドーラ(生ハム専門カッター)の横川咲氏が「若手才能賞」を受賞したことも発表された。
スペイン国内外で生ハムの価値向上に取り組む企業・専門家の卓越した功績、革新性、そして生ハム文化への貢献を称えることを目的とした賞。
横川氏は日本における生ハム文化の普及に情熱を注ぎ、専門技術・才能・スペイン食文化への深い敬意をもって活動してきた点が高く評価された。11月19日にマドリードで行われる授賞式に臨む。
渡邉代表は「今年6月にインターハムができて、世界で初めての賞を日本人が受賞した。本日は横川さんがカッティングの実力を披露するので、ぜひ味わっていただきたい」と称えた。

