社員の健康増進サポート 伊藤忠食品がタニタ「私たちメンテナンス」導入

伊藤忠食品は、健康経営推進の一環として、タニタが提供する出張型健康経営支援サービス「私たちメンテナンス」を導入。このほど、東京本社で社員向けの運動機能測定会を開いた。

「私たちメンテナンス」は、タニタの運動機能分析機と体組成計を用いて、日常生活を送るために必要な体力レベルを測定。タニタのスタッフによる個別カウンセリングや、オンライン動画で運動や食事、休養の大切さを学べるプログラムを用意している。

伊藤忠食品では企業理念にある「健康で豊かな食生活創り」に基づき、「人的資本経営の高度化」を掲げ、社員の健康力向上に注力している。

その一環として昨年度、タニタが創業80周年記念事業で試験的に実施した「私たちメンテナンス」サービスに参加。運動機能測定会を通じて、社員が健康習慣を見つめ直すきっかけになったことから、他社に先駆けて導入を決定。今年5月から正式提供を開始した同プログラムの採用第1号企業となった。

先月行われた測定会では椅子から立ち上がる動作で運動機能を計測し、体組成と筋力を総合的に評価した「体力得点」をもとに、自身の体力レベルを見える化。アトラクション感覚で楽しみながら従業員の健康増進につなげるとともに、年齢や役職、部署を超えた社員のコミュニケーション促進にも役立てていた。

健康経営の推進役を担う人事総務部の担当者は「健康経営の重点テーマとして、生活習慣病や三大疾病等の予防、運動習慣の改善、女性の健康課題への取り組み強化など、様々な取り組みを進めています。その中でも、運動習慣の改善では40代以上の肥満度割合を下げるべく、ウォーキングイベントやセミナーを実施してきましたが、継続的な取り組みが課題となっていました。タニタさんのプログラムを通じて、社員の健康への意識や関心を高め、運動習慣の定着・促進を図っていきたい」と語る。

健康経営の取り組み加速

伊藤忠食品では、2021年に「健康経営宣言」を策定。健康経営の基本方針として、従業員の「健康意識の向上」「健康管理の充実」「健全な職場環境の整備」を掲げ、心身ともに健康で活力ある職場づくりを推進している。

社員のメンタルヘルスケアのサポートや、がん高度先進医療保険・三大疾病サポート保険への加入、育児との両立支援を目的とした「ペアレンツコーチング講座」、健康セミナーの充実による啓発活動などの取り組みを実施している。

なかでも仕事と育児・介護の両立支援策の強化に注力しており、2024年10月には介護に関する情報交換や両立支援を目的とした「介護コミュニティ」を設置した。また、この8月からは、電話やメールで介護の専門家に相談ができる「介護コンシェルジュ」の仕組みを導入し、両立支援の体制をさらに厚くしている。

こうした取り組みが評価され、2022年から「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に4年連続で認定、3月には上位500社に与えられる「健康経営優良法人2025ホワイト500」に初めて認定された。

同社では、従業員一人ひとりが心身ともに健康を保持・増進し、個々の力を存分に発揮していくことが、企業理念にある「健康で豊かな食生活創り」の実現と、「食のライフラインを担う責任を果たしていくことにつながる」との考えから、健康経営の取り組みを推進している。