ハウス食品グループら 山椒の産地形成へ前進 宮崎県高千穂町で初収穫

ハウス食品グループ(ハウス食品グループ本社、ヴォークス・トレーディング)が南九州大学、杉本商店、山椒生産者とともに4月から本格始動した山椒の「産地形成プロジェクト」は7月8日、宮崎県高千穂町の産地で、2022年の実証研究開始時に植えた山椒の実を初めて収穫した。今後は毎年約1千本の山椒の木を植える計画。27年からの本格販売を目指す。

ハウス食品グループは、山椒の生産者拡大とブランド化を図るため、関係する企業・団体とともに宮崎県高千穂郷・熊本県奥阿蘇で山椒の産地形成プロジェクトを立ち上げた。高千穂郷・奥阿蘇は乾しいたけの産地だが、特に生産者にとっては、乾しいたけの収穫時期(春・秋)と山椒の収穫時期(夏)がずれていること、乾しいたけ生産に使用する乾燥機を山椒生産にも活用できて山椒栽培に参入する初期投資が少ないことから、兼業による収入増が見込めることがメリットになる。

プロジェクトは22年に実証研究を開始し、25年4月に本格始動。今回、ハウス食品グループ本社の岡本雄一取締役スパイスバリューチェーン調達・生産戦略本部長、ヴォークス・トレーディングの村上恒志香辛事業部長、南九州大学の前田隆昭環境園芸学部環境園芸学科教授、杉本商店の杉本和英代表取締役が参加するなか、山椒の実を初めて収穫した。

今後、収穫した山椒を活用し、宮崎県高千穂郷・熊本県奥阿蘇の山椒にどのような特徴があるかを検証する。また、27年からの本格販売を目指す中で、ハウス食品の山椒製品への活用やプレミアム山椒としてのブランド化を含め、さまざまな製品形態や国内外の販路を検討する。