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2025 / 11 / 13 木曜日
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トップニュース苦境の缶詰 原料難とコスト高で減産続く 昨年も1割減
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

苦境の缶詰 原料難とコスト高で減産続く 昨年も1割減

日本缶詰びん詰レトルト食品協会がまとめた、24年(1~12月)の缶詰びん詰国内生産量は191万t(実箱換算3億741万箱)、前年比4.1%減少した。このうち、飲料缶詰を除いた一般食料缶詰びん詰は21.2万t(3020万箱)、前年比7.9%減。一般食料缶詰(飲料を除く丸缶)の生産量は14.6万t(1988万箱)、前年比9.5%減となった。

主要品目では、まぐろ、ゆであずき、うずら卵水煮、カレー類、飯類等で増加したが、かつお、さば、いわし、さんま、みかん、栗、混合果実、スイートコーン、やきとり、その他ソース類、スープ類など各分野の主力品目が減少し、全体の生産量は前年に引き続き大きな減少となった。

水産缶では、まぐろが4.2%増(349万箱)と唯一増加したが、原料事情の悪化やコスト高により、主力品が軒並み減産。さば6.9%減(224万箱)で6年連続のマイナスとなった。いわし16.8%減(104万箱)、さんま20.6%減(41万箱)と厳しい状況が続く。まぐろ・かつお類(ツナ)は0.5%減(547万箱)。まぐろが伸長したが、かつおが9.3%減(198万箱)と落ち込んだ。

果実缶は、みかん10.3%減(70万箱)、もも12.5%減(26万箱)、混合果実16.2%減(79万箱)など、ほとんどの品目で減産。天候不順や後継者不足により加工用原料の確保が課題となっている。

野菜缶は、ゆであずき(1.1%増、72万箱)が業務用向けの2号缶を中心に増加。スイートコーンは17.1%減(109万箱)、北海道産が増加したが、それ以外が減少。主要品目のたけのこが9.6%減(16万箱/大缶)、トマトが3.6%減(20万箱)、その他豆類が2.3%減(34万箱)となった。

食肉缶では、うずら卵水煮が8.2%増(10万缶)、業務用需要の回復に伴い3年連続で増加した。やきとりは8%減(56万箱)だった。

なお、2024年の缶詰輸入量は63.8万t、前年比2.2%増。国内生産および輸入量、輸出量を加味した2024年の一般食料缶詰びん詰供給量は84.7万t、前年比0.3%減だった。

レトルト食品生産量 約50万t、8483万箱

24年(1―12月)のレトルト食品国内生産量は49.9万t(8483万箱)。従来の統計対象は「アルミ箔をラミネートし加圧加熱殺菌した袋詰の食品」だったが、透明パウチやトレー入り製品など容器包装材の進化や消費者の利便性の高まりに対応し、24年より調査・集計対象を「加圧加熱殺菌した袋もしくはトレー詰の食品」に変更したため、前年対比の算出を行っていない。

缶詰・瓶詰国内生産数量

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