14.3 C
Tokyo
14.4 C
Osaka
2025 / 11 / 27 木曜日
ログイン
English
流通・飲食価格上昇で「収益への意識高まる」 加藤産業・加藤社長が卸業界に見解
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

価格上昇で「収益への意識高まる」 加藤産業・加藤社長が卸業界に見解

加藤産業の上期(10~3月)業績は営業収益が4・5%増の6103億6000万円、営業利益が6・3%増の101億4600万円。当初は減益の予想だったが、情報システム費などの経費が予算より低く抑えられたこともあり増益となった。ただ、通期は計画通り増収減益を見込む。会見での加藤和弥社長の話をまとめた。

【業績について】

スタート時点でそれなりの規模の帳合喪失があり、それらをクリアしながら増収となったのは、価格改定の効果もある。今後も改定は続くと思われるが、どれほどのペースで起こるかは想定しにくいので織り込むのは難しい。

足下でのプラス要因も若干あるが、マイナス要因も出ているので今後も楽観視はできない。

【卸業界全体への見解】

共通して言えることは価格が上がり売上はそれなりに確保できているが、物量がそれほど上がっていないので経費アップが抑えられている。

加えて、収益管理に対する意識が業界全体で高まっているのではないか。少子高齢化でマーケットが縮小している中、収益をしっかり確保しなければ、以前のように価格を犠牲にして売りを取りにいっても、あまり意味がないという認識が共有できている。

【コメ高騰の影響】

よく言われるように、麺類などほかの主食にシフトしている。すべての物価が上がり、外食も上がっている中、内食の強さを感じる。

コメの経済性も一定程度あると思うので、周辺商材が極端に悪いかと言うとそうでもない。消費者の感覚も様々なので一概には言えないが、節約志向の中でコメは底堅いと感じる。

【今後の重点課題】

有力な小売業と、戦略的なパートナーシップをいかに作ることができるか。1年以上前から、具体的に目標を立てて進めている。

特に販促に関しては、デジタルが使われるようになった。これまではやるかやらないかだったが、これからはやることを前提に、どういうことができるかが問われるフェーズに変わる。コンテンツや使い方で差別化できる部分が出てくるだろう。リアルでの販促と同様、そのための引き出しを増やしていきたい。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点