ファミリーマートは25年度(2月期)、「中食強化」と「将来戦略を見据えたブランディング強化」を戦略の柱に取り組む。
4月9日の決算会見で細見研介社長は、「2本の大きな柱の周囲には、既存店を強化する施策をしっかりと組み込んでいる。Eコマースやふるさと納税の対応に加えて、人気コンテンツを印刷できるファミマプリント、売場拡大策のアポロ計画など、デジタルとリアルの両面で加盟店収益をしっかりと支えるプラットフォームを強化していく」と意欲を示した。
「中食強化」の取り組みとして、3月から定番の「おむすび」を全面リニューアル。全国20工場のすべてに最新鋭の設備を導入完了し「ほかでは類を見ないふっくらとした柔らかい食感を実現した」(細見社長)。
おむすびアンバサダーとして新たに大谷翔平選手を起用し、TVCMやデジタル・店頭告知、「おむすび二刀流キャンペーン」などで訴求した結果、新規顧客の獲得や来店動機につながり売上が前年比20%増で推移するなど手応えを得ている。
大谷選手起用の副次的な狙いについては「あの大谷選手がサポートしてくれているのだから、われわれも頑張ろうという仲間意識、加盟店のQSCに対する意識向上につなげたい」と語る。
「将来戦略を見据えたブランディング強化」に向けては今年2月、世界的に活躍するクリエイターのNIGO氏を、クリエイティブディレクターに起用。次世代店舗や戦略商品、デジタルサイネージ「FamilyMartVision」による次世代マーケティングの開発など多岐にわたる分野で協業を行う方針を明らかにしている。
「NIGO氏とのコラボを通じて、日本独自のセンスやエスプリを進化させ、将来の“あなたと、コンビに、ファミリーマート”を実現したい。この延長戦上には訪日客を含めた海外戦略もある。世界中の人に愛されるコンビニを目指す」と語る。
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