日清オイリオグループ 国内外でBtoB領域の展開強化 新中期経営計画「ValueUp X」

日清オイリオグループは4月からスタートする新中期経営計画「Value UpX(エックス)」(25-28年度)を策定した。マーケティング×テクノロジー×グローバリゼーションを結実・進化させ、「ビジョン2030」で掲げたグローバルトップレベルの油脂ソリューション企業への飛躍を目指し、成長戦略を加速させる。

久野貴久社長は「現中計4年間で、お客様との共創による多様な価値創造と利益成長を実現し、さらなる成長への足掛かりを築けた」と手応えを示し、新中計「Value UpX」では「健康で豊かな食生活に貢献し、お客様のベネフィットを最大化する油脂ソリューションの展開エリア、領域を拡大する」と語った。

具体的な取り組みでは、カカオ豆高騰で世界的に需要が拡大しているチョコレート用油脂、スペシャリティオイルを中核とする化粧品油剤を軸に、グローバル市場での展開を加速させる。

前者は、トレーサブルで高機能なチョコレート用油脂のバリューチェーン創出と拡大に向けて、積極的な設備投資と技術開発を推進。ISFグループの欧州・アジア・北米での展開を広げて、28年度までにCBEのグローバルシェア15%以上(現状6%程度)を目指す。

ファインケミカル事業では、成長市場のアジアを中心に化粧品油剤の展開を強化する。

BtoB領域での海外展開も広げる。北米市場でのフードサービス・製菓製パン向けの業務用・加工用油脂の展開を進め、2030年度までに500億円規模の販売を目指す。現地パートナー企業との連携やM&Aも検討する。

国内の油脂事業においてもBtoB領域での展開を加速する。ユーザーサポートやカスタマサポート機能による顧客接点の高度化と価値創出を強化し、機能性油脂や機能性油剤の拡販を進める。ユーザーの課題解決や加工食品に新たな機能を付与する油脂の市場創造により、機能性油脂(フライ油を除く)・油剤の販売額を4年間で2.5倍の70億円以上に引き上げる。

BtoCでは、家庭用油脂の市場規模1900億円以上を目指し、付加価値化の取り組みを加速。MCTをはじめとする機能性素材マーケティングを推進、フレイル対策など健康寿命延伸に向けた高齢者食品分野の取り組みも強化する。

4か年の設備投資額は900億円を計画。パーム油の生産能力増強、次世代精製・充填設備導入、物流倉庫外部化による工場内設備の再配置など、生産・物流プロセスの変革を進め、サプライチェーン強靭化と資本収益性向上につなげる。

28年度の定量目標はROE8%以上(24年度比1%増)、ROIC6%以上(同1.5%増)、4か年平均の営業利益240億円。連結営業利益率は5%以上(同1.4%増)。セグメント別の営業利益(平均)はグローバル油脂・加工油脂67億円(17億円増)、油脂・油糧および加工食品・素材154億円(47億円増)、ファインケミカル19億円(7億円増)。

株式会社アピ 植物性素材