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業務用キユーピーのフードサービス事業 業態のシームレス化に迅速に対応

キユーピーのフードサービス事業 業態のシームレス化に迅速に対応

キユーピーは内、中、外食の市場変化に迅速に対応し、フードサービス事業でも付加価値商品の投入や卸などとの外部連携による販路拡大に注力する。

4日に開かれた「フードサービス事業戦略発表会」で執行役員フードサービス販売統括の山田秀春氏は、同事業の現状と今後を説明。同社では、家庭内食と外食や中食がシームレスになっている実態を受け、営業部門で家庭用本部とフードサービス本部を廃止した。また、それぞれを横断する組織としてマーケティング本部と販売戦略本部を新設している。

山田氏は組織変更のポイントを解説するとともに、成長に向けた3つの戦術を例示。「新たな価値の創出」「業態戦略を磨く」「新たな販売戦略の構築(社内外で共創による販路拡大)」に力を注ぐ。取り組みの一例として、家庭用、フードサービスとも野菜とたんぱく質などを組み合わせた「パワーサラダ」を提案していることに触れ、「市場環境の厳しさは続くが、フードサービス事業でも増収増益を目指す」と意欲をみせた。

執行役員マーケティング本部本部長の中島健氏は、営業部門の組織変更の狙いを解説。目まぐるしく変化する市場で、顧客の声を迅速に各戦略につなげる動きを強化し、営業支援も一気通貫に行える新機構の利点を紹介した。さらに25年は「サラダファースト」「マヨネーズ発売100周年」「ソースワールド」を取り組みの軸に据え、ユーザーに「驚きとワクワクを届けたい」と抱負を語った。

マヨ100周年にちなんだ「マオンソース」
マヨ100周年にちなんだ「マオンソース」

同社では7日、フードサービス業界向けの新商品9品(新商品7品、リニューアル品2品)を発売。「マオンソース」(1㎏)はマヨネーズの起源と言われるスペイン・マオン地区で家庭の味として伝わるソースに着想を得て開発した商品。25年は「キユーピー マヨネーズ発売100周年」に当たる年でもあり、マヨネーズの歴史を感じさせる業務用商品として発売した。オリーブオイル、レモン、にんにくの風味を楽しめるなめらかな味わいのほか、同社の独自技術で手作りのような口どけを実現。幅広いメニュー展開が可能だ。

「具たっぷりソース」シリーズからは、第2弾となる「焼肉のたれ」(1150g)、「トマトガーリック」(1080g)を投入。具がたっぷり入った調味料で、時間が経っても食材にしみこみにくいのが特徴。仕込みの手間が省けるため人手不足の課題解決にも貢献する。飲食店や惣菜での用途を想定している。「スノーマン レバーペースト」(300g)は、インバウンドで伸長するパブやビアホールなどの業態に向けて提案。解凍後に盛り付けるだけで提供できる。

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