手延そうめん業界の恒例行事「卜定祭(ぼくじょうさい)」が2月5日、奈良県桜井市の三輪明神大神神社にて行われた。
商戦本格化を前に商売繁盛を祈願するとともに、昨年秋から生産する「令和6年度産三輪素麺」の初売り相場を占いで決定する。主催は奈良県三輪素麺工業協同組合とその販売業者で組織する奈良県三輪素麺販売協議会。
桜井市にはかつて日本最古の市があり、旧暦の1月6日(2月5日)に初市が立ち、物の相場を決定した。三輪そうめんはその名残りで、初相場を占いで決める慣習が残っている。
例祭には地元有力者や全国の手延そうめん関係者が参集し、宮司による祈祷や巫女の舞が奉納された。
そうめん卸売り価格を占う「卜定の儀」では、安値、中値、高値の中から占いで「高値」託宣がくだり、「三輪の誉(ほまれ)」1箱18㎏の初売り価格は昨年より200円増の1万2000円で決定した。その後、各界代表による玉串奉納や、地元婦人会やそうめん生産者有志によるそうめん音頭などが境内で披露された。
小西幸夫・奈良県三輪素麺工業協同組合理事長は3年ぶりの「高値」神託について「業界を取り巻く環境は厳しいが、この結果を励みに品質向上や市場開拓にいっそう取り組み、組合員・生産数などへの問題に対応したい」などと話した。
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