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トップニュース「AJINOMOTO ギョーザ」元年 キレイに焼ける価値を国内外で訴求 味の素冷凍食品

「AJINOMOTO ギョーザ」元年 キレイに焼ける価値を国内外で訴求 味の素冷凍食品

味の素冷凍食品は、フライパンへの貼りつきをさらに改善した「AJINOMOTO ギョーザ」の訴求を強化する。2025年春のリニューアル品(2月9日発売)では、かつて「12個完全に張りついてしまうフライパン」で検証したところ、9割以上で改善効果が得られた。このほどメディア向けに焼き体験会を開き、寺本博之社長は「誰でも失敗なくキレイに焼けるよう、味の素グループの技術を結集して進化させた」とアピールした。

開発を担当したマーケティング本部の駒木根理花氏によると、テフロン加工が剥がれてきたフライパンの場合、餃子の皮に含まれるでんぷんが加熱で凝固した際に貼りつきの原因になるという。それを改善するため独自技術で「羽根の素」を改良。フライパンと皮の間に油の膜ができるような配合に変更し、フライパンの鉄とでんぷんが接触する面の割合を減らすことで、貼りつきにくくした。「調理のしやすさが向上するとともに、一番おいしい状態で食べていただきやすくなった」(駒木根氏)と自信をのぞかせる。

フライパンへの張りつきを劇的に改善
フライパンへの張りつきを劇的に改善

貼りつき改善の取り組みは23年、1件のSNS投稿をきっかけに「冷凍餃子フライパンチャレンジ」としてスタート。生活者から「ギョーザ」が張りつくフライパンが3520個も寄せられ、分析・検証を行ってきた。24年春に最初の改良品を発売し、今春はさらに研究を重ねた“史上最高キレイに焼けるギョーザ”へ進化させた。「12個完全に張りついてしまうフライパン」での検証では、「12個すべてがキレイに剥がれた」割合が24年春の26%から今春は54%と約2倍に上昇し、プロジェクト開始前の製品比では93%で改善効果がみられた。

現在は集まったフライパンの再資源化に取り組む。老舗キッチンウェアメーカー、杉山金属(新潟県燕市)の協力を得て新たなフライパンに再生し、3月にクリエイターと金属加工メーカーのコラボチーム「燕三条キッチン研究所」の4w1hブランドとしてオンラインショップや生活雑貨専門店で発売される予定だ。

一方、今シーズンは新たに「AJINOMOTO ギョーザ」ブランドを立ち上げた。パッケージは新ロゴの視認性が高いデザインを採用。マーケティング本部(事業部門管掌)の杉田博司執行役員は「今年を『AJINOMOTO ギョーザ』元年に位置付け、競合商品が多いなかでも当社製品を選んでいただけるように注力する」とコメント。また今後は海外で販売する商品にも新ロゴを展開する方針。「世界中で日本のギョーザが提供する価値を感じていただけるようにしたい」との考え。すでにインバウンド向けに“焼きギョーザ体験”のイベントを行っているが、大阪・関西万博の開催時は大阪城公園で3か月間にわたり実施する。

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