キリンビバレッジ 倉庫内のピッキングを自動化 海老名物流センターで稼働開始

キリンビバレッジの東日本エリア物流拠点である海老名物流センター(神奈川県)では、飲料倉庫のピッキング作業を自動化・知能化する「自動ピッキングソリューション」を導入。このほど稼働を開始した。

導入したのは、三菱重工が開発した「ΣSynX(シグマシンクス)」。これまで物流現場の作業者自身が考えながら行っていた効率的なピッキング作業(パレット上に段ボールを積み付ける作業)を、自動化・知能化するソリューションだ。

重量のある飲料入り段ボールケースのピッキングを人手で行う重筋作業や、フォークリフト搬送を無人機により自動化した。作業環境の改善のほか、ピッキング人員を検品など他の作業に再配置することで物流センター全体の人手不足の解消、待機車両時間の短縮を実現。2024年問題への対応加速につなげる。

稼働セレモニーでスイッチを押す関係者ら - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
稼働セレモニーでスイッチを押す関係者ら

12月12日の稼働セレモニーで会見したキリンホールディングスの岩崎昭良常務は「天災などで『運べないリスク』が経営課題として浮上し、工場や拠点配送を含めたサプライチェーンネットワークの構築を進めてきた。さらには将来の人手不足という社会課題に対し、物流自動化構想を三菱重工に依頼したのがプロジェクトのきっかけ」と説明。プロジェクト関係者への感謝を表明した。

そのうえで「キリングループは食から医の領域で価値を創出する世界のCSV先進企業を掲げている。今回のプロジェクトは、経営環境周りの社会課題を解決し価値創造を進めるのが狙い。三菱重工グループの協力を得ながら、人手不足や重筋作業の解決に貢献できた。グループの他の拠点にも展開し、飲料業界のみならず持続的な社会への貢献を果たしたい」として、将来的には業界全体の動きにもつなげたい考えを示した。