記録的なインバウンド観光客が来日する中、西武鉄道とシンガポール政府観光局がタッグを組み、来年1~3月に食をテーマとした特別電車「52席の至福×シンガポールトレイン」を走らせる。これは相互の観光誘致に向けたコラボ企画で、シンガポール旅行を味わってもらうため、車内ではここでしか味わえないシンガポール料理を用意し、特別感のある優雅な時間が楽しんでもらう。創作シンガポール料理には、東京・日本橋「nol(ノル)」の野田達也シェフが監修したブランチとディナーを提供する。
このほど開かれた特別試食会には、シンガポールに赴いて創作料理を研究した野田シェフが、車庫に停車中の車内でコース料理を調理し、来年の本番に向けて披露した。ブランチメニューは「アミューズ=”52席の至福”オリジナルアミューズ」「冷前菜=シンガポールバリエーション」「温前菜=チリクラブのフラン」「メイン=チキンライスルーロー」「デザート=ボボチャチャ~ココナッツミルクパンダンリーフアイス~さつまいものクーリ」。ディナーメニューは「メイン=バクテー・オ・ブック」「デザート=ボボチャチャ~秩父食材の饗宴」だけがブランチと入れ替わる。
今回のコラボ企画について西武鉄道・広報部の森川颯太氏は、「海外からのインバウンド需要が急回復している中、グループ会社を通じて、シンガポール政府観光局とリレーションができた。シンガポールは、他国に比べて一人当たりに旅行消費額が高く、旅費へのハードルも低い。日本の1~3月は寒いが、シンガポールからみると、その寒さを経験したいとする人も多いはずだ。今回の体験型イベントで、食を通した両国の理解が深めれば幸いだ」と語った。
シンガポール政府観光局の大石洋介・日本支局シニアマネージャーは、「様々な業界とコラボしながらシンガポールの魅力を発信しており、今回もその一環だ。シンガポールは、まだ食のジャンルは確立されていないが、今後は食を求めて旅をすることが大きな動機つけになるはずだ。シンガポールから日本への観光客数はコロナ禍をはるかに超えたが、日本からシンガポールへの渡航は65%しか戻っていない。今回の企画を通じてシンガポールにも是非観光に来てほしい」など語った。