伊藤園は、同社グループのタリーズコーヒージャパンとの連携を強め、「TULLY’S COFFEE(タリーズコーヒー)」ブランドに関する知見を共有するなど相乗効果を図りファン拡大を目指す。
伊藤園は主に飲料やレギュラーコーヒーなどの小売向け家庭用嗜好品で、タリーズコーヒージャパンはカフェの運営でそれぞれ「タリーズコーヒー」ブランドを展開している。
9月9日、両社の知見を取り入れて開発されたドリップバッグとして、「TULLY’S COFFEE BARISTA’S ROAST(タリーズコーヒーバリスタズロースト)」シリーズから4種類の新商品が発売された。
新商品は、タリーズコーヒーのショップでの体験をイメージ。
ショップでは、豆の購入を検討する来店客に向けてバリスタは味の好みやどんなときに誰と楽しむかを聞き取って商品を提案するという。
このやりとりを再現すべく、飲用時間や好みの味わいに合わせて選択できるように設計。コーヒーを飲む時間帯として多く挙げられた、朝・昼・15時というそれぞれの時間帯に合わせたブレンド3種と、一日中楽しめるブレンド1種の計4種類を取り揃える。
伊藤園のマーケティング本部コーヒーブランドグループブランドマネジャーの相澤治氏は「ご自宅でコーヒーを楽しまれる方が増え、産地を意識して購入される方も非常に増えている。タリーズジャパンのコーヒーマスターである南川剛士氏がお客様のことを思いながら、産地の豆の特徴を最大限に生かした味わいに設計した」と胸を張る。
タリーズコーヒージャパンの取締役マーケティング本部本部長の内山修二氏は「店舗での購入体験をイメージした商品は、量販店チャネル向けでは初めて」と語る。
連携を強化することで、双方への好影響に期待する。
内山氏は「ショップでバリスタがていねいにコーヒーを淹れることがブランドの価値としていいイメージになり、伊藤園のRTD好調要因の一つになっていると考えている。伊藤園の商品が広がることで、『タリーズコーヒー』のブランドの認知も高まり、ショップの出店にもつながる」との考えを明らかにする。
相澤氏は「これまでも2社で一緒にものづくりをしてきたが、人事交流などで、さらに話し合う機会が増えている。共有したアイデアや技術、知見は“オールタリーズ”として、製品やプロモーションになっている。今後もいろいろな形で『タリーズコーヒー』のおいしさをお届けする」と意欲をのぞかせる。
9月9日からは横断したキャンペーンも開始。伊藤園の「タリーズコーヒー」ブランドの対象商品を購入してポイントを貯めると、タリーズショップで使えるデジタルギフトなどの景品が抽選で当たる内容となっている。
「ショップで豆が買える、スーパーやコンビニ、自販機でも『タリーズコーヒー』の商品が買える、ということで、もっと『タリーズコーヒー』のファンになっていただきたい」と相澤氏は期待を寄せる。