「セブン-イレブン(の店頭価格)に対して、割高に感じる人が年々増加。そのため来店しなくなる、あるいは買い控えるお客様もおり、対応せねばならない」。9月18日の下期商品政策説明会で、セブン-イレブン・ジャパンの青山誠一商品戦略本部長が語った。
同社が消費者1万人を対象に実施した昨年7月の調査では、コンビニの価格を「割高」と答えた人は約64%。フードデリバリー(55%)をも上回った。
ここ数年同社では、価格帯別にメリハリをつけた商品開発を行う「松竹梅」マーケティングを展開。なかでも顧客接点の強い「竹」の磨きこみに力を入れてきた。
だが「これまで品質に重点を置いて成長を続け、そこに共感いただいているお客様も多い一方、経済性重視のお客様が増えてきた」(青山氏)。今後は「梅」への対応を強化する方針だという。
価格と価値の両立を図った「うれしい値!」商品は今月から大幅拡充。このうちおにぎりでは、マグロ原料が高騰しているツナマヨにカツオも配合。鮭も原料を見直し、「ツナマヨ」「しゃけ」の税別価格を7月から12円引き下げ128円に。これにより、おにぎりの販売数量・金額とも1割以上増加した。
「五目チャーハン」などチルド弁当3品も323円と手ごろな価格を実現したことで、新規ユーザーが増加。購入者のうち2割以上がチルド弁当を過去3か月購入していなかったほか、30代以下の構成比も高まった。
また日用品や雑貨でも、店頭導入を進めたダイソー商品の売上は1年半で倍増。これにセブン&アイグループの連携により値ごろ価格を実現した「ザ・プライス」商品も合わせ、「うれしい値!」の拡充を図る。
「あり方見直すとき」
これまでの成果を元に検証を進め、「うれしい値!」の価値と価格の両立を顧客に伝えることで、新規来店と来店頻度の増加につなげる考えだ。
「『コンビニは高い』という悪いイメージを変えていかねばならない」「あり方を大きく見直すタイミングだ」と語る青山氏。
「長時間営業・年中無休を売りにしてきたが、コロナによる行動様式の変化や働き方改革も経てお客様に時間的な余裕が出てきた。一方でインフレによって経済性がより重視され、これまで最優先してきた味・品質と同じレベルで価格への要求も強まっている。難しいが、これらを両立することで一段と強くなれると考えている」。