奉納上演で企業磨く 松本幸四郎さんが舞う

18日、京都の上賀茂神社で十代目松本幸四郎さんの襲名記念奉納舞台が上演された。味の素AGF社が同神社で15年から実施している文化事業の新たな取り組みとなる。

これにより、同社は日本人の味覚に合ったコーヒー「JapaNeeds Coffee(ジャパニーズ コーヒー)」を追求し、そのフラッグシップであるレギュラーコーヒーブランドAGF®「煎」の育成強化やコーポレートブランドを高めていく。

来賓や多くの参拝者が見守る中、松本幸四郎さんは同神社の馬場殿で約15分間、五穀豊穣を祝い、慶事の際に舞う「三番叟」を奉納上演した。その後、神様が降臨するものとされる「立砂(たてすな)」前で品田英明社長との記念撮影に臨んだ。(記事続き写真下)

(左から)立砂前で記念撮影する品田英明社長、松本幸四郎さん、田中安比呂宮司
(左から)立砂前で記念撮影する品田英明社長、松本幸四郎さん、田中安比呂宮司

そこで囲み取材に応じた品田社長は、今回の文化事業の位置づけについて「もともと日本の文化にコーヒーは根付いているが、もっと日本の文化に溶け込んでほしい。そのために、われわれは“ジャパニーズコーヒー”を標榜している。由緒ある上賀茂神社さまと一緒に取り組めることで企業価値を上げていただいていると大変感謝している」と語った。

境内は約23万坪の広さで、このうち80%が森で占められているという。京都市全体でも75%が森で、全国平均よりも森が多いことから名水やさまざまな食文化の土壌になっている。田中安比呂宮司は「御殿にお参りする際は川を通らなければならず自然と身を清められる」と語った。

同社は、同神社が神代の昔から守り続け、手水として現在も利用されている神山湧水(こうやまゆうすい)の良質な水質に着目。15年に神山湧水に合う「神山湧水珈琲」を開発し、同年行われた第42回の式年遷宮に同珈琲を奉納した。これが起点となり、AGF®「煎」の展開や全国和菓子協会との関係構築へと広がりを見せている。

AGF®「煎」のプレゼンス強化にも意欲をにじませる。「上賀茂神社での文化事業は社員の誇りにもなりモチベートにもなる。ただ、あまりにもおいしい神山湧水珈琲なので、もう少し日本の多くの方々に飲んでいただきたいという思いで日本人の好みと水にあったAGF®『煎』を開発・発売した」と述べた。AGF®「煎」のCMキャラクターには松本幸四郎さんを起用。18日には参拝者に向けてAGF®「煎」と「神山湧水珈琲」のドリップバックのセットを2千セット配布した。

和菓子との取り組みについては「全国の和菓子店さまとのコラボが少しずつ増えてきているが、5~10年やらないと定着しない」と説明した。