ハム大手4社は今期(24年4月~)から新たな中期3か年経営計画を始動。概要や定量目標などを17日までに各社が公表した。
前中計21~23年度は、原材料高騰、円安など様々な外部要因の影響を受け、特に22年度は大きく減益となり、23年度でV字回復したものの、ようやく21年度の利益額相当に戻ったのが実情だ。よって、今期からの新中計で「3年遅れで前中計の達成を目指す」(日本ハム井川伸久社長)とし、3年後に過去最高利益など、各社利益増大で資本効率向上を目指す。
日本ハムは新中計2026スローガンに「たんぱく質の価値を共に創る企業へ」を掲げた。新たなステージに向け「構造改革」「成長戦略」「風土改革」の三位一体で取り組む。井川社長は「価値創造企業に進化する3年」と位置付け、構造改革は「収益性の高い商品に集中し商品ミックス改善」を図り、成長戦略は「既存ブランドやグローバル展開を今まで以上に加速」させ、まずは2年目の25年度で事業利益過去最高の540億円を目指す。
伊藤ハム米久HDは、新たに35年に向けた長期経営戦略2035を策定し、35年に目指す姿「meat together」を掲げた。今回の中計の考え方について宮下功社長は「3年間の予算ではなく、長期10年をめどとした長期ビジョンでの3か年計画」と位置付けを示した。
前中計で掲げた経常利益300億円は未達であったことを受け「長期戦略による成長ストーリーの明確化」と「基礎収益力の底上げ」を課題に新中計に取り組む。
プリマハムは、新中計24~26で「営業力・開発力・商品力強化で、売上と利益の規模と質を高める」とした。千葉尚登社長はポイントに「営業利益率」を挙げ、23年度は0.3ポイント改善し2.6%。「営業本部・生産本部の改善、食肉本部のシェア拡大」でこれを26年度に3.4%に引き上げる。
丸大食品は、新中計24~26の基本方針で「新たな顧客価値創造」「収益構造改革」「事業領域拡大」などの基本方針を掲げた。佐藤勇二社長は「ハム・ソーセージ事業の収益改善が第一」とし、グループ全体で「調理加工を強化」し、特に食肉事業は「事業領域拡大」をテーマに、生産拠点増設、調理惣菜強化、エリア・販路拡大を図る。各社目標達成に向けて動き出している。