中四国の有力スーパーが物流における協業を始める。イズミ、フジ、ハローズの3社を中心とする小売業12社と物流2社が中四国物流研究会を発足。人口減少が加速するエリアにおいて、2024年問題をはじめとする物流課題に連携して取り組む。
物流センターへの納品時間帯を統一し車両台数を減らしたり、幹線物流における相互輸送により運行便数を削減したりといった事例を想定。5月16日に最初の全体会議を開き、今後エリア部会などを定期的に開催し対策を検討する。
小売の賛同企業はイオンリテール(千葉市)、エースワン(高知市)、キョーエイ(徳島市)、サニーマート(高知市)、天満屋ストア(岡山市)、仁科百貨店(倉敷市)、両備ホールディングス(岡山市)ほか社名非公表の2社。物流はイオングローバルSCMとムロオの2社。オブザーバーとして中国経済産業局、四国経済産業局が参加する。
4月25日、広島市で会見を開いたフジの山口普社長は「物流は社会問題であり、個々で対応するには難しく、業界として取り組むことでしか解決できない側面がある。小売各社が協調領域ととらえ、企業の壁を越え改善するために発足した」と説明。
また、イズミの三家本達也副社長は「2024年問題については以前から準備してきたが、これからどんどん厳しくなっていくと認識しており、単独ではどこかで限界が来る」と指摘。「九州でも同様の研究会に参加している。中四国でも同業各社との協業を進めたい」と述べた。
ハローズの佐藤太志副社長は「年々出店エリアが広がっており物流センターから店舗への配送時間と距離が長くなっている。互いの物流環境を理解したうえで、小売業全体の効率化が進むよう取り組みたい」と話した。
また、商流については「今後、検討課題として挙がる可能性はあるが、まずは物流においてより効率的に継続できる状況を作り出す」(山口社長)としている。