飲料系飲料「クラフトボス」3年ぶり大刷新 透き通ったグラスをイメージした“くびれ”の新ボトル採用 そのねらいは?

「クラフトボス」3年ぶり大刷新 透き通ったグラスをイメージした“くびれ”の新ボトル採用 そのねらいは?

 サントリー食品インターナショナルは今年、「クラフトボス」の中でコーヒーシリーズに一層集中する方針を固め、コーヒーシリーズを大刷新する。

 大刷新は“見た目からおいしい”を追求し「ボコボコボトル」を採用した2021年以来、3年ぶりとなる。

 中味・パッケージともに磨きをかけて4月16日に「クラフトボス 甘くないイタリアーノ」、5月21日に「同 ブラック」「同 ラテ」「同 微糖」を発売開始する。

 この中で昨年新発売した「甘くないイタリアーノ」の育成に全力投入していく。

 3月28日、取材に応じたサントリー食品インターナショナルの大塚匠SBFジャパンブランドマーケティング本部部長は「今年は『甘くないイタリアーノ』を第三の柱に据えるというのが我々の目標」と語る。
 今回、コーヒーシリーズ大刷新の一番のポイントは新容器の採用にある。これには「甘くないイタリアーノ」トライアル促進の狙いが大きいという。

サントリー食品インターナショナルの大塚匠SBFジャパンブランドマーケティング本部部長
サントリー食品インターナショナルの大塚匠SBFジャパンブランドマーケティング本部部長

 「『甘くないイタリアーノ』を2年目に大刷新するにあたり、見た目から変わるのがお客様にとって一番分かりやすい。もう一度新しいお客様にトライしていただきたいという思いで大きな投資に踏み切った」と説明する。

 コーヒーシリーズの新ボトルは、透き通ったグラスをイメージ。ボトルを握る部分に“くびれ”とエンボス加工を施し、手馴染みが良さを追求した。

 「実は量産化には非常に難しい形状。重心が上にいくことで、1分間に1000本近く充填する高速製造ラインでは転倒リスクが非常に高まる。当社の技術力がかなり集結したボトルとしてお客様にお届けする」と説明する。

 新ボトルは自販機への装填も可能。
 今後、外での飲用シーンを訴求すべく、対象自販機にスマートフォンでタッチしてキャンペーンに応募する「Touch! SUNTORY」の施策を強化していく。

 「自販機は、ある意味日本で一番店舗数が多いカフェとも言える。『クラフトボス』が新ボトルに切り替わるタイミングで、キャンペーンを計画している」という。

 店頭では、現行ボトルでは下部にあるラベルの位置が上部に変更したことで、軽快な印象を打ち出し視認性を向上させた。ユーザーがフレーバーで選びやすくするために、味わいの訴求強化も意図した。

 今回、大刷新の背景には、ペットボトル(PET)コーヒー市場のイメージが固定化し新規ユーザーの取り込みが往時に比べ鈍化している点にある。

 「購入者における新規顧客の割合は2018年に57%だったが、23年には31%に留まっている。PETコーヒーを一度は飲用したものの離反してしまった方は約1000万人いる」とみている。

 PETコーヒーへのイメージについては「“PETコーヒーはどれも同じに見える”“ブラックかラテの二択で選択肢が少ない”“デスクワーク専用”といった固定観念は、ある意味PETコーヒーというジャンルが急速な成長とともに確立したことを示している。その一方で、そのイメージがかなり固定されてしまっていることが課題」との見方を示す。

 今回の大刷新で、固定化したイメージに風穴を開けユーザーの拡大を目指す。

 「PETコーヒーの認識変容を促し、新規ユーザーと離反してしまったユーザーの取り込みを狙う」と意欲をのぞかせる。

 大刷新という新しいニュースの発信という点からも市場を盛り上げていく考えで、積極的なマーケティング展開も予想される。

 リピートにもつなげるべく主要アイテムの中味も刷新。
 「甘くないイタリアーノ」は、乳原料の組み合わせにさらにこだわり、ミルクの満足感とコーヒーの余韻を強化することでリッチな味わいのラテへと進化させた。

 「ブラック」は、異なる5種類のコーヒーをブレンドしている。ドリップ抽出のコーヒーを新たに採用したことで、香りとキレを強化した。

 「ラテ」は成分レベルでミルクにこだわり、乳原料ブレンドを変更。ミルク感がありつつもすっきりごくごく飲める味わいに仕上げた。

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