市場データ提供事業を展開するマーチャンダイジング・オンは、スーパーマーケットのトレンドデータ「RDS」のサンプル数を、5月から業界最大規模に拡充。対象店舗数は現在の1千247店から3千000店へと飛躍的に増加する。
RDSは流通POSデータサービスの略称。2018年に流通システム開発センターから同社が事業承継した当初は企業数約90、店舗数約350と、競合サービスと比べて小規模だった。他社では高額なサービスが大半だった当時、誰もが自由に使えるリーズナブルで有用なデータベースの構築を目指して事業の拡大を図ってきた。
RDSでは、食品・日用雑貨の閲覧・出力とも制限なし。生鮮や惣菜はインストア商品も含む実績がカテゴリー単位で把握でき、より正確な食品全体の傾向をとらえることができる。
また消費者目線の独自分類(MD分類)と細かな属性も特徴。RTD酒類をアルコール度数別に、ワインを生産国別に分析するといったことも可能だ。
日別データも最短2日前のものまで閲覧できる。たとえば能登半島沖地震をきっかけに、全国で防災用品の販売が急増した実態もほぼリアルタイムでつかめる。
さらに平均売価では得ることのできない全国の推定定番価格を、カテゴリー上位商品を対象に月次で提供する。
過去30年間に蓄積したPOSデータを公開していることから、たとえば「単身世帯の増加やタイムパフォーマンスなどの観点から基礎調味料は年々縮小傾向にあるが、加工調理品(レトルト等)は伸長しているのではないか?」といった仮説の検証にも使える。
同社では今後も全国の小売業に呼びかけ、データの拡充を進める方針だ。5月以降の新規契約は月額10万円のところ、今年10月までの申し込みで現行の6万8千円に据え置くキャンペーンを展開する。
マーチャンダイジング・オン
https://www.mdingon.com/