福寿園は、本格的な宇治茶の新茶シーズンを前にした3月15日、恒例の新茶の初摘みを京都府木津川市の福寿園CHA遊学パーク内の温室栽培茶園で行った。一般的な露地摘採から約1か月半早い初摘みで、同日に摘み取った生葉は製茶後、「春一番新茶」(15g、税込2千160円)として16日から京阪神地区の福寿園店舗で順次販売されている。同社は「約50年前から続いている行事。今年も一足早く、新茶をお届けしたい」としている。
温室栽培茶園(ビニールハウス)の栽培面積は約300㎡で、当日は生葉45㎏を約15人の摘み子で摘み、製茶後の7㎏を販売する。一部の摘み子は伝統的な衣装(紺かすりの着物、茜だすき、姉さんかぶりなど)で臨み、新緑の茶摘み風景を再現した。また、栽培品種は「さみどり17年生」で、挿し木から17年が経過しているもの。
初摘み行事の目的は、新茶の一足早い販売のほか、発育状況の研究、加温による促成栽培の研究と被覆による優良茶の研究、緑茶生産技術の向上と周年栽培の研究などがある。