食肉のおいしさ・健康を数値に 売場で価値「見える化」 平和堂

平和堂は、オリジナルブランド「E-WAあじわい豚」「同 健美味どり」の特徴であるおいしさや健康性の数値を見える化し、今期(24年2月21日~)から売場で示すことで、価値を分かりやすく伝えている。

精肉課の新たな取り組みとして始めた。「あじわい豚」は、うまみ成分のグルタミン酸を通常豚肉の1.8倍含有している。これを店頭で消費者に示すことで他社との差別化を図る。「価値を伝え、価格に納得して購入いただきたい」(西川隆久精肉課課長)との思いがある。

「あじわい豚」は、グルタミン酸1.8倍とともに、ビタミンB1が多く含まれることを表記。また「健美味どり」は、グルタミン酸1.7倍、ビタミンE3倍。表記は店頭の看板とPOPで示す。

表記を行う背景には、同社が掲げる「健康」「子育て」「高齢者」への注力があるが、もう一点、高まる消費者の節約志向がある。特に豚、鶏の食肉は価格志向が強く、消費者は価格だけの判断で異業種などに流れてしまうこともある。そういった中、同社のE-WAブランド肉は、長年にわたり産地の指定農場との取り組みを深めてきており「おいしさや安全性など自信はあるが、それらをどう伝えるかが課題」(同)であった。

そこで同課はこれらの特徴を分かりやすく消費者に伝えるため、1年前から各産地の指定農場を訪問して肉の成分データの取得・分析を行い、数値化できるデータを積み上げるとともに、今期以降の指定農場の管理レベルの引き上げも図った。

今期は、消費者に「E-WA」ブランドの食肉の価値をきちんと伝えることで安易な価格競争からの脱却を図り、食肉・加工肉全体の底上げを図る。今後は同ブランドの「あじわい牛」の数値化も検討する。