「1日分のビタミン ゼリー」ビタミン13種全部入り訴求で好調 開けやすいキャップにも支持

3品定着へ提案強化

ハウスウェルネスフーズの「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミン ゼリー」シリーズは、23年3月に実施したパッケージリニューアルと、10月に実施した全3品での開けやすい新キャップの導入が奏功して成長を続けている。

同シリーズ3品トータルの23年(1-12月)販売金額は前年二ケタ増で着地。

前年の22年販売金額は、自宅療養やワクチン接種時の体調管理ニーズが上乗せになったとみられ20%以上の伸びを記録。23年は懸念された反動減を打ち消す結果となった。

パッケージリニューアルでは「ビタミン13種全部入り」のコピーが奏功した。

藤堂真人マネージャー(ハウスウェルネスフーズ) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
藤堂真人マネージャー(ハウスウェルネスフーズ)

1月23日、取材に応じた同社の藤堂真人事業開発二部第二グループマネージャーは「メーカー視点のコピーでは、お客様に直感的に伝わりにくい。『全部入り』というなじみやすく分かりやすい言葉により、13種類のビタミンがすべて入っているという製品の価値がお客様に直感的に伝わるようになったとみている」と説明する。

シズル感を前面に押し出し、おいしさを強調したデザインも好調要因になった。パッケージの刷新により、2月に行った価格改定による消費減退も軽微にとどめ23年4月頃から再び上昇基調にあるという。

力を入れなくても開けやすい新キャップも成長を押し上げた。23年1月から「マスカット味」にて先行採用していた新キャップを10月に「グレープフルーツ味」「食物繊維(ピーチ味)」にも採用した。

新キャップは、女性やシニアのユーザーがより増えるきっかけにもなったとみている。

藤堂マネージャーは「以前から、キャップが硬くて開けにくいというご指摘はいただいていた。新キャップにしたところ、とても開けやすくなったというお電話やメッセージを毎月のようにいただいている。印象的だったのは『自分で開けることができた』というお声をいただいたこと。今まで以上にお客様との結びつきが強くなれるのでは」と笑みを浮かべる。

来期は、価格改定が一巡し新キャップをシリーズ全品に導入したことで、年間通じてマーケティング施策を打っていく方針。新キャップは、他社製品との差別化ポイントとしてアピールを強化していく。

チャネル別動向は、コンビニが好調。春先には採用アイテムが広がる見通しで、勢いづく。

一方、スーパー・量販店では価格改定の影響を受けたが、今後は販促を強化する構え。シリーズ3品の買い回り促進につながる販促を中心に検討していく。

アイテム別動向は、「食物繊維(ピーチ味)」、次いで「マスカット味」の順で高い伸びをみせた。最大ボリュームの看板商品「グレープフルーツ味」も安定的に推移している。

今後のゼリー飲料市場については、嗜好性を打ち出した商品の増加によって間口が広がった女性層に注目しているという。

藤堂マネージャーは「今後は、おいしさがありつつも、女性の健康ニーズの深いところに焦点を当てた商品がポイントだと考えている。飲用を日常化してもらうような成分や健康ニーズなどを深掘りする必要がある」との見方を示す。

ゼリー飲料市場は年々拡大しており、23年に1千億円規模を突破したと推定される。「18年からの約5年間で200億円ほど伸長した。ゼリー飲料は体調不良の時や朝ごはん代わりなど、使い勝手のいい商品なので今後も伸びていく」とみている。

ゼリー飲料は保存食や防災食としても用いられている。ハウス食品グループ本社では、能登半島地震被災地支援のため2千万円の拠出を決定したほか、支援物資の一つとして「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミン ゼリー」を供出した。