飲料嗜好飲料もはやインスタントの個装ではなく1杯の便利なブラックコーヒー AGF「ちょっと贅沢な珈琲店」などのスティックブラックが二桁増

もはやインスタントの個装ではなく1杯の便利なブラックコーヒー AGF「ちょっと贅沢な珈琲店」などのスティックブラックが二桁増

 味の素AGFのスティックブラック商品が好調に推移している。

 2023年販売金額は、前年比二桁増で着地した。スティックブラックは、インスタントコーヒーを1杯分ずつ個包装したものだが、もはやインスタントコーヒーではなく1杯の便利なブラックコーヒーの認識で支持されているという。

 「インスタントコーヒーの個包装というよりも、我々としてはブラックコーヒーのスティックタイプというイメージを持っている」と指摘するのは小松正明コンシューマービジネス部マーケティング第2グループ主任。

注がれるスティックブラック
注がれるスティックブラック

 「カフェやコンビニでレギュラーコーヒーをブラックで飲まれているお客様がスティックブラックに様々な価値を感じていただいている」と語る。

 この様々な価値の主なものとしては、ブラックコーヒー1杯分を持ち運びできて簡単に淹れたてのブラックコーヒーが飲める点にある。

 「インスタントコーヒーと比べて、一杯ずつ個包装されているため香りが逃げずいつでも淹れたての味わいが楽しめる。リモートワークの合間や短い休憩時間に、お湯を注ぐだけできるのも特徴。職場やキャンプなどの屋外にも手軽に持ち運びできる携帯性にも価値を感じていただいている」と説明する。

 2012年の発売開始以降、右肩上がりで成長を遂げ、現在、コロナ禍を契機に多くの若年層を獲得して勢いを加速している。

 「近年ではコロナ禍を契機に、コンビニコービーなどを嗜む若年層が家でも本格的なコーヒーを飲まれるようになり、レギュラーコーヒーよりも簡単に飲めるスティックブラックが支持されるようになった」とみている。

 AGFでは実際、20代の購買構成比は、一杯抽出型レギュラーコーヒーのドリップバッグや袋や瓶タイプのインスタントに比べて、スティックブラックが高い傾向にあるという。

「ちょっと贅沢な珈琲店」で展開しているメッセージ付きスティック
「ちょっと贅沢な珈琲店」で展開しているメッセージ付きスティック

 スティックブラック市場の中でAGFの強みは「ちょっと贅沢な珈琲店」で展開しているメッセージ付きスティックと豊富なラインアップにある。

 メッセージ付きスティックは、心の健康に資することを目的としたもの。飲むたびに異なるメッセージを目にしてもらうことを意図して、1箱の中には多彩なメッセージがランダムに入っている。

 日本各地の嗜好性に合わせた「ちょっと贅沢な珈琲店」の地元ブレンドシリーズには、各エリアの特性を加味したメッセージも用意している。

 メッセージの反響は上々で「多くの喜びのお声を頂戴しており、味わいにとどまらず、生活者に寄り添った活動としてご支持いただいている」と述べる。

売れ筋は「ちょっと贅沢な珈琲」の「スティックブラック スペシャル・ブレンド」(26本入り)と「ブラックインボックス 産地ブレンドアソート」(20本)の2品。
売れ筋は「ちょっと贅沢な珈琲」の「スティックブラック スペシャル・ブレンド」(26本入り)と「ブラックインボックス 産地ブレンドアソート」(20本)の2品。

 ラインアップは「ちょっと贅沢な珈琲店」と「ブレンディ」の各ブランドから豊富に品揃えをして、店頭での選ぶ楽しみに対応している。

 売れ筋は「ちょっと贅沢な珈琲」の「スティックブラック スペシャル・ブレンド」(26本入り)と「ブラックインボックス 産地ブレンドアソート」(20本)の2品。

 アソートタイプは、このほか「ブラックインボックス 焙煎アソート」を取り揃え、ともに気分転換ニーズに対応。「そのときの気分で“今回はこれを飲んでみよう”といった心理で飲まれている」と推察する。

 「ブレンディ」では、冷たい水にも溶ける特性から、パッケージの裏面でアイスコーヒーを提案。冷たい水やミルク140mlにスティック1本を直接入れてすぐにかきまぜることを推奨している。

 健康志向に対応した「スティックブラック 毎日の腸活コーヒー」と「パーソナルインスタントコーヒー やすらぎのカフェインレス」も「ブレンディ」で展開。ともに好調に推移している。

 AGFはスティックブラックの購入率で開拓余地を見込む。スティックブラックは、以前より販売継続をしている袋や瓶タイプのインスタントコーヒーと比較し、まだ大きく伸びしろがあると推察する。

 「まだまだお客様に購入していただけるチャンスがある。直近ではサンプリングを実施するなど、これかも接点を拡大して多くの方に価値を感じていただいて拡大していきたい」と意欲をのぞかせる。

関連記事

インタビュー特集

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。