ニッスイグループ 海外水産フライなど拡大へ 170億円投じ設備増強

ニッスイは、海外食品事業のさらなる拡大を図るため、北米とフランスのグループ企業を対象に生産設備を増強する。投資額は約170億円を計画。

それぞれ25年までに増産体制を整え、現地における水産フライなどの旺盛な需要に応える。

同社はかねてより水産物のグローバル・サプライチェーンの構築に取り組んでおり、海外の食品事業は水産フライで圧倒的な世界トップになることを目指している。今回、設備投資を決めたのは2か国2社。ともに生産能力が不足していたことから増強を検討していた。

米ゴートンズ社(ニッスイUSAの完全子会社)は、同国の家庭用水産調理冷凍食品カテゴリーのシェア1位。スケソウダラの白身魚フライやエビを使った商品などを展開。生産能力が限界に達したことから、このほどインディアナ州に新たな生産拠点を設けることに決めた。25年後半の稼働開始を目指し、あわせて物流の効率化、付加価値商品の強化なども進める。

フランスのシテ・マリン社(ニッスイヨーロッパの完全子会社)は、同国のチルド白身魚フライで高いシェアを持つ。また農産品を使用した代替たんぱく製品にも注力する。近年はニッスイの資本参加を得て事業を拡大しており、22年7月には白身魚フライ・代替たんぱく製品を製造するケラナ・プロダクションズ社を買収。さらなる成長に向け、25年をめどに同社の生産能力を増強する工場の拡張計画を決めた。