サントリーが昨年発売した「こだわり酒場のタコハイ」は、すっきりした味わいが好評で、発売以来好調が続いている。3月に発売した「同(缶)」は、上方修正した年間500万箱の目標を11月に突破、年間販売数量は628万箱で着地した。また10月には業務用コンク(1.5ℓ)を発売。飲食店の取り扱いが拡大している。
1月22日に、大阪市北区の飲食店・とりかわ幕府にて、山根健介・近畿営業本部営業企画部担当部長が「タコハイ」ブランドの好調要因を説明。「『タコハイ』という特徴的なネーミングや、田中みな実さん・梅沢富美男さんのCMに加え、ほのかな柑橘香と焙煎麦焼酎を合わせたすっきりとした味わいに好評をいただいている」と分析。
業務用は飲食店でも「とにかく飲みやすくて食事に合う」と好評。食事メーンの飲食店にてモデル店舗を増やし、取り扱い拡大につなげている。モデル店のとりかわ幕府でも、「店内POPを見て、ビールやハイボールの次の2杯目以降はタコハイを注文する人が多い。若い人から年配まで幅広く飲まれている」(上村華奈子店長)という。
サントリーでは24年度業務用「タコハイ」の取り扱い店を全国で1万4千店舗に拡大する計画。「酒場で愛される味」として、テレビCMを含むコミュニケーション全体で“酒場感”を軸として展開。業務用でも一杯注文ごとに抽選し、当たりが出たら景品がもらえる「タコハイキャンペーン」を2月末~3月末まで全国で実施する。
このうち近畿エリアでは5千店舗が目標。近畿は「タコハイ」の認知度が高く、2022年11月に行った同社WEB調査では、全国平均10~12%に対して、近畿は21%弱と2倍近かった。「タコハイ」は、1980年代に同社CMから派生した愛称を商品名に取り入れたものだが、「特に大阪市内では『チューハイ』ではなく『チューハイ(タコハイ)』の表記が、名残でそのまま残っている店が多いことが、認知率が高い理由」(山根部長)だという。