明治の松田克也社長は、1月24日の新年賀詞交歓会で海外・栄養・サステナブルの取り組みに触れ「明治の新しい進化を遂げていきたい」と新たな価値提案に意欲をのぞかせる。
海外で「ここ数年旗振り役として大きく成長している」絶好調な事業として、米国の菓子、アジアの菓子・アイス・乳製品関連、ヨーロッパのキューブタイプ粉ミルクなどを挙げる。
中国については今後積極的に投資していく構え。「昨年は中国天津で牛乳・ヨーグルト工場が稼働開始した。今年は広州に菓子と乳製品の複合工場が稼働開始し、5月には上海にアイス工場が稼働する。工場の設備投資も行うなど発展に向けた投資をしっかりと行っている」と説明する。
栄養や健康面での価値普及にも注力する。「明治がもつ栄養と健康価値を、国内外含め共有してもらえるようしっかりと歩んでいく。人だけでなく地球環境に対しても栄養と健康というキーワードで取り組み、CO2削減やサステナブルカカオ100%を目指す」。
明治は23年6月に「Meiji NPS」を策定。NPSとは栄養プロファイリングシステム(Nutritional Profiling System)の略で、食品に含まれる栄養素の量を科学的根拠にもとづきスコア化し評価する手法。明治独自の「Meiji NPS」は、一般成人向けと高齢者のフレイル予防向けの2つの栄養プロファイリングシステムを備えている。
「明治のMじゃなく、みんなのMにしようということで発表した。多くのメーカーと一緒になって栄養価値を伝え、それが個々の栄養の判断基準になり役立つ(未来を描く)。商品だけでなく情報を含めて明治が進化し発信していきたい」。
カカオマーケティング部CXSグループの木原純グループ長は「サステナブルカカオ」の取り組みについて説明。取り組みの3つのポイントとして①貧困や児童労働に苦しむ農家の負担を増やさず経済価値を増やすこと②健康的な食生活の実現③有効活用されていないものまで価値に変えるアップサイクル――を掲げた。
同社は2026年までにサステナブルカカオ豆の調達率100%達成を目指しており、22年度実績は62%だった。
なお、当日は役員7人を含む明治社員21人とメディア関係者36人の計57人が参加し、会場内に設けられた展示ブースを回りながら情報交換が行われた。参加役員は次の通り。
八尾文二郎取締役副社長グローバル関係全般・生産物流プロセス戦略本部・品質本部管掌▽谷口茂取締役専務執行役員研究・開発関係全般・研究本部・価値創造戦略本部管掌▽童子秀己取締役専務執行役員マーケティング・営業関係全般・営業推進本部管掌▽堀内隆行取締役常務執行役員広報部・お客様相談部管掌▽菱沼純取締役常務執行役員監査部・経営管理本部・リスクマネジメント本部 ・デジタル推進本部・調達本部管掌▽中村高士執行役員広報部部長