加藤産業は18、19の両日、神戸国際展示場で「春&夏の新製品発表会」を開催。得意先約4千200人が事前登録し、586社(常温338社、菓子40社、低温73社、酒類135社)が出展した。アイテム数は常温4千800、菓子300、低温1千、酒類500の合計約6千600で、このうち新製品が約1千700。昨年の春夏に比べ56社、新製品約300アイテムが増えた。
オリジナル製品「Kanpy」コーナーでは、昨年投入した「Kanpy THE PREMIUM」の新製品「北海道産原料十割そば」をはじめ、小さめのサイズで買い得感を出したフルーツ缶、環境に配慮した紙パック仕様のカットトマトなど特徴あるオリジナル商品を試食とともに紹介した。
企画提案コーナーでは、近場へ出かけるGW、スポーツの“ながら観戦”といったテーマに沿って売場を提案。日本各地の商品を集めた「ディスカバリーニッポン」では支店推奨を含めた92社が集まり、自慢の商品を売り込んだ。
粉末タイプの「ゆず茶」を用意したお茶の丸幸(東京都)は「ジャムタイプの商品に比べ軽いので買い物も楽。溶けやすく夏場は炭酸水にも」とアピール。乾麺の松代そば善屋(新潟県)は県内各地のラーメンを並べた。佐渡のあごだし、燕三条の背脂など6種類を集め「お土産としても人気が高まっている」と話していた。
低温流通コーナーでは長野県の郷土料理「おやき」にスポットを当て、ベーシックなものからスイーツ風のものまでを集めて試食。「西日本ではまだ馴染みがないが、冷凍、冷蔵コーナーの新たな一品として導入してもらいたい」と担当者。グループ経営の中で力を入れる菓子は40社、約300アイテムを集めて本格的にコーナー化した。
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中村考直専務は18日に開いた記者会見で市場環境や近況について、次の通り述べた。
今回、春夏の新製品トレンドとして楽しむ食感、やわらかいテイスト、うま味を挙げた。これらに対応した商品に加え、プレミアムもアプローチするための手段の一つだと考える。実際、付加価値が理解されている商品は顕著に伸びている。
今、小売業が悩んでいるのは買上点数が上がらないということ。いろいろな策を提案しているが、定番コーナーではバンドル販売の効果が数字に表れている。こうした提案を一つでも多く進めていきたい。
第1四半期が終わり、グループ全体で予算を達成すると見込んでいる。ただ、売上の伸び率は昨年よりも落ちている気配だ。販売数量も伸びていない。値上げも一巡し、その影響がこれから出てくるだろう。第2四半期の終わりごろから潮目が変わってくると予測している。
地域商品は全国の各支店が発掘した商材を社内で紹介する活動を継続しており、二ケタ伸長している。菓子はグループ経営の中で伸ばそうとしており、地域の菓子卸と事業連合を組むことも考えながら、各支店で拡大していきたい。