9.9 C
Tokyo
8.8 C
Osaka
2025 / 12 / 17 水曜日
ログイン
English
飲料系飲料キリン「午後の紅茶」飲用シーン拡大 「おいしい無糖」拡充、アイスティー提案、高付加価値商品で

キリン「午後の紅茶」飲用シーン拡大 「おいしい無糖」拡充、アイスティー提案、高付加価値商品で

キリンビバレッジの「午後の紅茶」ブランドの1-11月累計販売数量は前年同期比2%増の4千543万ケースを記録し、この要因について23年12月12日に取材に応じたキリンビバレッジの吉村透留社長は飲用シーンの拡大を挙げる。

「年間通じて『午後の紅茶』の買い場づくりと『午後の紅茶』を通じたお客様との絆づくりに継続して取り組んだ」と振り返る。

昨年実施した「午後の紅茶」の施策の一つに「おいしい無糖」シリーズの拡充がある。

3月に「午後の紅茶」初となる無糖のミルクティーを発売して、シリーズ2品から3品体制へ品揃えを強化した。これによりシリーズ計の1―11月販売数量は二ケタ増となり12年連続で前年超えの見込みとなっている。

「ストレートティー」「ミルクティー」「レモンティー」の定番3品のアイスティー提案や高付加価値商品も成長を後押しした。

定番3品は、6月にリニューアル発売。夏にアイスティーが飲みたくなるシーンを提案すべく磨きをかけ、「ミルクティー」は味覚・パッケージデザインともに刷新し「ストレートティー」と「レモンティー」はパッケージデザインのみリニューアルした。

3品とも紅茶葉が入っている缶をイメージしたデザインを背景に、それぞれティーポットやグラスのイラストをあしらい、アイスティーを前面に押し出したコミュニケーションを展開した。

この施策については「一般的に夏になると紅茶は飲まれなくなるが、海外ではアイスティーが飲まれており、必ず攻めどころがあると思っていた。『アイスティーいかがですか』という形で提案させていただいたところ、少し低落傾向にあった定番3品が復活した」と手応えを語る。

「 TEA SELECTION(ティーセレクション)」シリーズ(キリンビバレッジ)
「 TEA SELECTION(ティーセレクション)」シリーズ(キリンビバレッジ)

「TEA SELECTION(ティーセレクション)」シリーズを新たに立ち上げ、7月に発売した第1弾商品「アールグレイアイスティー」でもアイスティー需要を喚起した。

同シリーズでは第3弾の「ザ ミルクティー イングリッシュブレンド」で高付加価値商品としての手応えも得る。

同商品は、「ミルクティー」の1.5倍の茶葉を使用し、ウバ茶葉51%とアッサム茶葉47%をブレンドしたもの。

同商品について「茶葉を1.5倍使い付加価値化して、それに見合うだけのプライシング提案させていただいたところ、ご理解いただいているところがある」と述べる。

高付加価値提案は今後も継続する。

「付加価値商品はまだまだ提案のネタがたくさんあり、今後も取り組んでいきたい」と意欲をのぞかせる。

飲用シーンの提案も強化の構え。「アイスティー提案で需要拡大できたが、十分ではない。夏場のシーンをもっと深掘りしていく」と語る。

関連記事

インタビュー特集

キンレイ「鍋焼うどん」、さらにおいしく進化 自社工場でかつお節を削り出した理由とは 50年のこだわり脈々と

キンレイの冷凍具付き麺「お水がいらない」シリーズが販売好調だ。2010年に立ち上げ、昨24年までに累計2億食以上を販売している。

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。