キリンビバレッジは2023年、「生茶」と「午後の紅茶」の基盤ブランドで高付加価値提案に手応えを得る。
12月21日取材に応じた吉村透留社長は「高付加価値商品の提案を行い、市場創造に向けた手ごたえを感じられた。我々ならではのものづくりへのこだわりや、商品開発力によって清涼飲料の魅力を上げていくチャレンジができたのではないか」と振り返る。
9月から発売している「生茶 リッチ」は、大容量・低価格のコモデティ化が進む緑茶飲料市場で、健康軸とは異なる、おいしさによる高付加価値の流れを生み出すべく「生茶」から一石を投じたもの。
キリン独自の微粉砕かぶせ茶(かぶせ茶マイクロ粉砕)を「生茶」本体の10倍使用し、製造工程も通常より手間をかけて作られている。発売後約2週間で1000万本を突破し、約1か月で年間販売目標を達成した。
「“ちょっと贅沢感があるものが欲しい”という報酬感ニーズに応えられる商品として提案したところ、新規性とおいしさが評価された」という。
「午後の紅茶」の手応えとしては、新たに立ち上げた「 TEA SELECTION(ティーセレクション)」シリーズを挙げる。
同シリーズでは第3弾の「ザ ミルクティー イングリッシュブレンド」は、「ミルクティー」の1.5倍の茶葉を使用し、ウバ茶葉51%とアッサム茶葉47%をブレンドしたもの。
同商品について「茶葉を1.5倍使い付加価値化して、それに見合うだけのプライシング提案させていただいたところ、ご理解いただいているところがある」と述べる。
高付加価値提案は今後も継続していく。
「付加価値商品はまだまだ提案のネタがたくさんあり、今後も取り組んでいきたい」と意欲をのぞかせる。