J―オイルミルズは、物流の適正化・生産性向上に向けた「自主行動計画」を策定した。政府が公表した「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」を踏まえて、物流の2024年問題への対応を進め、持続可能な物流網の構築を推進する。
「自主行動計画」の主な内容は
①物流業務の効率化・合理化
②運送契約の適正化
③輸送・荷役作業等の安全の確保
となる。
①では荷待ち時間・荷役作業などにかかる時間を把握するため、トラック予約システムの導入を図ることや、積載効率向上のため取引先へ発注数量の改善を依頼すること、発注から納品までのリードタイムを確保し、適切な運行スケジュールが組めるように取り組むことなどを盛り込んだ。
②では、荷役作業にかかる対価として附帯作業を物流事業者と協議する契約書などに明記することや、契約の合理化を目指しサーチャージ(燃料・電力)などの導入に努める。
③では、異常気象時などの運行の中止・中断などを物流事業者が必要と判断した場合については、その判断を尊重するとした。
同社では、事業活動に欠かすことのできない物流の持続的・安定的な確保に向けて、これまでも様々な施策に取り組んできた。15年には、神戸と若松の工場間輸送をフェリーにシフトする「モーダルシフト」を行い、「エコシップマーク」の認定を取得している。
また、長距離・長時間運行や夜間の仕分業務による物流事業者の業務負荷を軽減するため、17年に東北のストックポイント拡充、関東・中京のストックポイントを開設しエリア在庫拠点からの配送への移行を進めてきた。
19年には国土交通省が提唱する「ホワイト物流」推進運動に賛同し、国民生活や産業活動に必要な物流の持続的確保を目指して「自主行動宣言」を提出。21年には物流業務従事者の負担軽減を目的に「外装表示ガイドライン」をまとめ、商品の外装表示の標準化に取り組んでいる。
なお、自主行動計画は15日、日本植物油協会を通じて農林水産省に提出。同社では「原材料資材を受け入れる着荷主、商品を納品する発荷主の両方の立場として、今後もサプライチェーン全体での労働・環境の両面において負荷を低減する取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく」とした。