愛知県加工用トマト拡大協議会は11月24日、ホテルアソシア豊橋で第18回目となる協議会と懇親会を開催した。
加工用トマト製品を展開するコーミ(名古屋市東区、川澄亮太社長)、岡本食品(名古屋市南区、岡本嘉久社長)をはじめ、東海農政局、生産者など約70人が参加した。
会の冒頭、川澄亮太会長は「世界的な異常気象など海外のトマト調達も難しい環境になってきている。加工用トマトの自給率は5%未満と言われているが、このままでは原料が確保できなくなることも考えられる」と警鐘を鳴らし、「生産者から『われわれのトマトはどこにいったのか』の声から生まれた『愛知県産トマトケチャップ』は年々出荷が増えている。地元産にこだわったトマト加工品を食べたいというニーズをしっかりと捉えていく」とあいさつ。続く表彰では、加工用トマトの生産、拡大に尽力した生産者に表彰状が贈られた。23年度の愛知県内の加工用トマトの実績報告では、県内のJA7か所の生産量が121.9tで前年より34.1t下回った。6月初旬に線状降水帯が発生し樹や根がダメージを受けたことに加え、7月の猛暑も重なり低収量となった。
さらに、コーミの自社農場の取り組みについて発表。従業員が通常業務と農業を半々で行う「半農半X(エックス)」での取り組みで、今期は品種を「なつのしゅん」から「NDM3393」に変更し、20aに3千290本を植えた。収量は、前年の1万222㎏を下回り7千846㎏。6月の大雨による根傷み、7月の猛暑が影響した。また生分解マルチを使用したが、予想より早く分解され、雑草が繁殖したことなどが課題だった。
次年度は、実務員のスキルアップとともに、畑管理人材の登用、新品種の検討、労力軽減策の立案などについて取り組む。また、アミノ酸系液肥による生育、収量比較や全自動収穫機の導入を検討している。