ギンビスの「たべっ子どうぶつ」はビスケット市場で独自ポジションを確立 3世代に続く美味しさとどうぶつキャラクターが源泉

ギンビスの「たべっ子どうぶつ」はビスケット市場でライバル不在の独自ポジションを確立している。

その源泉は、3世代に続くおいしさとどうぶつキャラクターにある。

10月17日、取材に応じた営業本部広報担当の吉村萌子さんは「もともと『たべっ子どうぶつ』キャラクターはお菓子を知ってもらうために始めている。近年の傾向としては、キャラクターを知っていただいてからお菓子を手に取って下さるお客様が増えていて、当社としては嬉しい限り」と語る。

「たべっ子どうぶつ」は1978年の発売開始から今年で45周年を迎え、親から子への価値伝達も独自ポジション確立の一因になっている。

「自分が子どものときに買ってもらい、親になったときに子どもに買え与えるという良いサイクルで売上げが伸びていたところに、キャラクターとのコラボレーションによる効果が乗っかってきている」とみている。

ギンビス営業本部広報担当の吉村萌子さん - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
ギンビス営業本部広報担当の吉村萌子さん

コラボレーションは2018年頃から着手して19年のカプセルトイの販売を皮切りにこれまでに数多く展開されている。

「当社はお菓子メーカーという軸を守りつつ、お菓子メーカーの力の及ばない部分に関しては他社様と協力したほうがより多くの皆様に知っていただき喜んでいただけると考えている」と述べる。

45周年の節目の年は、長年の愛顧に感謝を伝える企画として、「たべっ子どうぶつ」史上最大規模ともいえる大型屋内イベント「たべっ子どうぶつLAND」を開催した。

45年の歴史を知ることができるパネル展示やこれまでグッズ化されていないどうぶつを含む「たべっ子どうぶつ」ブランド過去最多56種のどうぶつのグッズ販売など、子どもから大人まで楽しめるコンテンツを目白押しに展開した。

「LAND内ではソフトバンク様との協業で360度のVRシアターや過去最多のキャラクターが順繰り映し出されるデジタルパネルを展開に本当に多くのお客様が会場に訪れて下さり有難かった」と振り返る。

この冬には、LANDで告知したゲームアプリをリリース予定している。

「復刻版たべっ子どうぶつチーズ味」(ギンビス) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「復刻版たべっ子どうぶつチーズ味」(ギンビス)

商品面では、フランス産発酵バターを使用した「こだわりバター味」に続く45周年記念商品として「復刻版たべっ子どうぶつチーズ味」を9月から期間限定発売している。

「復刻版では昔販売していた時のどうぶつのイラストをあしらっており、定番の『バター^味』などと比較して楽しんでいただきたい。味わいも、より濃厚なチーズ味に仕上げているのでお楽しみいただける」と胸を張る。

既存商品では「たべっ子水族館」のパッケージを刷新。これまで一種類だった天面のデザインを拡充。「複数のデザインを用意することによって、店頭で積み上げられたときに海のいろいろな生き物が楽しめるようにした」。

売場に並ぶ「厚焼きたべっ子どうぶつチョコビスケット」(ギンビス) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
売場に並ぶ「厚焼きたべっ子どうぶつチョコビスケット」(ギンビス)

年間約40種類を展開しているコンビニ専用では若年層を獲得している。

「たべっ子どうぶつ」ブランド販売動向については近年右肩上がりに成長し20年からは勢いを加速させている。

「常にビスケット市場を上回って拡大している。キャラクターの力によるところも大きく市場動向に左右されないのも特徴となっている」と説明する。

「たべっ子どうぶつ」は、1978年、前身の厚焼きビスケット「動物四十七士」を“より薄焼きに”したビスケットとして開発され親しみやすいバター味で発売された。

“親子のコミュニケーションビスケット”として学びながら、おいしく食べてもらうことを目指し、International(国際性)・Independent(独自性)・Instractive(教育性)の3つIからなるギンビスの経営方針を体現したブランド・商品となる。

「たべっ子どうぶつ」には一部商品を除き46種類のどうぶつ型のビスケットに英語でそれぞれ動物名が印字されている。

パッケージには様々なエンターテインメント性や教育性のコンテンツがあり、裏面には一部商品を除き、どうぶつの英語名と日本語名が表記されており、ビスケットを食べながら目で見て学ぶことができる。

「たべっ子どうぶつ」のロゴはギンビスの創業者・宮本芳郎氏の直筆で、定番「バター味」のパッケージの色は発売当初は珍しかったピンク色を採用し現在に至る。