江崎グリコは、アーモンドミルクのトップブランド「アーモンド効果」で過去展開した「砂糖不使用」のシリーズ化に再び挑む。
「アーモンド効果」の認知が浸透してきたことと、健康志向の高まりにより複数のカテゴリーで無糖を好む若年層が増加していることを受けた動きとなる。
12月4日、ECでの先行発売を経て「3種のナッツ 砂糖不使用」(200ml)を新発売する。
同商品は、「アーモンド効果」既存商品の中でも近年伸び盛りの「砂糖不使用」と「3種のナッツ」のコンセプトを組み合わせたもの。「砂糖不使用」のラインアップ拡充を図るべく開発された。
10月25日発表した健康事業マーケティング部の川上雄太郎氏は、30歳を超えると健康意識が高まることや、紅茶飲料とコーヒー飲料を中心にRTD飲料の無糖化が進んでいることを踏まえた上で「砂糖不使用」と「3種のナッツ」のトライアル率が2020年以降急激に上昇し、リピート率も近年右肩上がりに推移している点に勝算を見込む。
「3種のナッツ 砂糖不使用」のメインターゲットは30・40代女性の新規ユーザー。
ターゲット設定の背景について、同部の田中莉夏子氏は「『アーモンド効果』のターゲットとなる40・50代に『砂糖不使用』は支持されているが、近年は若年層にシフトしてきている。炭酸飲料や酎ハイでも無糖商品が増えている。30歳くらいになって“甘さは不要で香りを楽しみたい”と健康を意識する人がすごく増えてきていると我々も感じている」と説明する。
過去、「香ばし大麦」や「エスプレッソ」を発売し「砂糖不使用」のシリーズ化を試みたが、いずれも定着には至らなかった。
今回、ブランドの成長と高まる無糖ニーズを受けて「3種のナッツ 砂糖不使用」を投入する。
「砂糖不使用」のシリーズ化についても「前向きに考えていきたい」と意欲をのぞかせる。
「3種のナッツ 砂糖不使用」は、アーモンド由来の風味を向上させるために同社が開発した凍結粉砕アーモンドを既存商品よりも2割程度増量したほか、3種のナッツのブレンド比率を調整したことで、ナッツの自然な甘さと奥行のある風味を打ち出している。
商品開発部抗酸化商品開発グループの石川順也氏は「3種のナッツ」から単に砂糖を抜くと「糖類による飲み応えがなくなり水っぽい味になる」と指摘する。
「3種のナッツ 砂糖不使用」に含まれるアーモンド・くるみ・ヘーゼルナッツの3種のナッツについては「ナッツ量トータルは加糖タイプの『3種のナッツ』よりも増やしており、種類別ではくるみを少し多めにしてクセのあるヘーゼルナッツをやや減らしている」と語る。
パッケージは「砂糖不使用」で使用しているブルーのアテンションを正面と天面にあしらうことで「3種のナッツ」と区別できるようにした。
コミュニケーションについては「『3種のナッツ』に加糖タイプと無糖タイプがあるということを軸にいくつかの施策を用意して、しっかり認識いただけるようにサポートしていく」(田中氏)
なお凍結粉砕アーモンドは、アーモンドを皮ごと丸ごとマイナス196度以下で凍結して丸ごと粉砕することで、粉砕時に発生する熱による風味の減少を抑制するものとなる。