ローソン、エリアカンパニー制に手応え 稚内3店舗が好調

ローソンの竹増貞信社長は10月13日、囲み取材に応じ、エリアカンパニー制の手応えとして、8月に立て続けに出店した北海道稚内市内の3店舗の好調ぶりに触れた。

エリアカンパニー制を敷く前の状況について「稚内は全国チェーンが1店舗もない街で、これまで物流の問題もあって全く出店候補に入っていなかった」と振り返る。その稚内に商機を見いだしたのが、北海道カンパニープレジデント兼東北カンパニープレジデントの廣金保彦氏。

「(廣金氏によると)『稚内は実はポテンシャルが非常に高い』『超過物流費がかかっても絶対に大丈夫』ということで、これまで敬遠していたが、北海道カンパニープレジデントが実際に現場を見て『これはいける』ということになって3店ほぼ同時期に出店した。これはエリアカンパニー制を敷いた一つの効果だと考えている」と語る。

生活者からの反響も上々で「『旭川まで行かずに済んだ』『ATMが使えるだけでも本当にありがたい』といったお声をいただいた」という。

エリアカンパニー制は、本社決裁を通さずエリアカンパニー内で完結するため、意思決定のスピードが高まり、独自の商品を仕入れた店舗や地域の素材・食材を使った商品開発、地域の木材を店舗建設に使用するなど活発な動きが見込まれる。

ローソンは2022年に北海道と近畿でエリアカンパニー制を先行導入。今年、全国に拡大して品揃えと在庫を強化している。

稚内3店舗を好例に出店の開拓余地も浮上。「便利という切り口だとまだまだチャンスがあり、今後もチャレンジしていきたい」と意欲をのぞかせる。