個包装のインスタントコーヒーがインスタントコーヒーの味わいを超える可能性が浮上した。
決め手は鮮度。
個包装のインスタントコーヒーは、スティックブラックまたはブラックスティックと呼ばれ、お湯を注ぐだけで簡単につくれるほか、個包装のため一杯ずつ新鮮に味わるといった点が基本価値となっている。
味の素AGFでは、このスティックブラックの基本価値に磨きをかけ、ユーザーの高齢化が進むインスタントコーヒー市場で若年層を獲得している。
若年層の飲用動向について、10日開催された冬ギフト発表会で山本倫子コンシューマービジネス部マーケティング第3グループ長は「インスタントコーヒーが簡便に飲める個包装タイプという感覚よりも、一杯の便利なブラックコーヒーというような感覚で飲まれている」と説明する。
スーパーやコンビニなどでスティックブラックを購入して“一杯の便利なブラックコーヒー”の飲用体験を経た若年層が親に薦めるという動きも起こりつつあると同社はみている。
実際、コーヒーギフト市場が縮小傾向にある中、スティックブラックカテゴリーは継続して伸長している。
「年齢が上の世代はインスタントコーヒーの個包装よりも量が多い瓶入りのインスタントコーヒーを好まれると思うが、同じ商品でも若年層は違った角度で捉えて、自分が飲んで良かったから親にも贈るといったマインドから、ギフトにも若年層が流れ込んできている」と捉えている。
この見方のもと、同社は歳暮期に向け4種類のスティックブラックとミルク入りスティックコーヒーを詰め合わせたアソートギフトを10月3日に新発売した。