製油各社、環境投資を加速 水素エネルギー活用、バイオマスボイラ導入も

大手製油メーカーの環境対応投資が活発化している。10月2日には日清オイリオとJ-オイルミルズの西日本地区の搾油合弁会社「製油パートナーズジャパン」が発足。将来を見据えた国内搾油業界の安定供給確保と環境・社会課題の解決に向けて、次世代型搾油工場の構築に向けた取り組みがスタートした。大規模設備を有する製油業界では、生産工程におけるロス削減や、非化石エネルギーの利用拡大、コージェネレーション設備の導入など、早くからCO2排出量削減の取り組みを推進してきた。政府目標である2030年のCO2排出量(13年度比)46%以上削減の達成と、その先のカーボンニュートラル実現に向けて継続的な削減努力を重ねている。

日清オイリオグループとJFEエンジニアリングは、水素エネルギーの活用を見据え、先駆的かつ高効率な水素混焼対応型8MW級コージェネレーション設備を日清オイリオ横浜磯子事業場に新規導入することで合意した。水素供給網の整備状況を踏まえつつ、27年以降、混焼率30%を当面の目標に新たなコージェネ設備で水素をエネルギー源として活用することを目指す。

日清オイリオは17年から、JFEエンジニアリングが提供する多拠点一括エネルギーサービス「JFE-METS」を導入。全国の生産拠点でエネルギー調達から供給までを最適化し、大幅なCO2排出量削減を実現してきた(グループ全体で16年比8.6%減)。

また、中長期的なさらなるエネルギーの安定供給と日清オイリオの2030年のCO2排出量削減目標(16年度比50%削減)達成を目指し両社で検討を重ねた結果、将来の水素活用に向けて、JFEエンジニアリングが水素混焼対応型8MW級コージェネレーション設備を設置し、設備の所有・維持運営を行うことで合意。2025年4月の運用開始を目指す。

日清オイリオは2050年のカーボンニュートラルを目指しており、その実現に向けて様々な脱炭素化施策を継続的に実施している。その中で、水素供給網の整備により「早期にHydrogen Readyを確立することは重要施策と位置付けており、水素エネルギーの活用を業界に先駆けて実施することで社会実装に向けたプラットフォーム構築に挑戦する」と意気込みを示した。

JFEエンジニアリングでは「お客様のカーボンニュートラルに向けた取り組みに対し、水素利活用に資する新規技術も導入しながらトータルソリューションをワンストップで提供していく」としている。

昭和産業は主力拠点の鹿島工場にバイオマス発電ボイラを導入する。投資額は約35億円。

木質チップなどの再生可能エネルギーを活用したバイオマス発電ボイラで、既存の都市ガスを燃料としたコージェネレーション設備の一部役割を置き換えることで、CO2排出量を年間約3.7万t削減する。グループ全体で累計37%以上(13年度比)の削減につなげる。

同社は今期からスタートした「中期経営計画23-25」において、基本戦略「環境負荷の低減」目標として、CO2排出量を25年度30%以上削減、30年度46%以上削減(グループ全体目標/13年度比)を掲げている。

主力拠点の鹿島工場では、バイオマスボイラの導入やコージェネレーション設備の燃料転換(石炭から都市ガス)などを通して、CO2排出量の削減に取り組んできた。今回、新たに再生エネルギーを活用したバイオマス発電ボイラを導入することで、環境負荷低減の取り組みを加速させる。

同社では「カーボンニュートラル社会の実現に向け、クリーンなエネルギー活用による環境負荷軽減を推進し、持続可能な社会への貢献に取り組んでいく」としている。

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