伊藤園は日本茶(緑茶)の間口(飲用層)拡大へ、インスタント緑茶の訴求に注力していく。
日本茶市場では、ユーザーが高齢化し若年層の獲得が課題となっている。
10月1日の「日本茶の日」に開催した「日本茶の日 お~いお茶大茶会(以下大茶会)」で取材に応じた吉田達也マーケティング本部リーフブランドグループブランドマネジャーは「急須で淹れたお茶のおいしさを大切にしながらも、形態を変えて、お客様のシーンに合わせて間口を広げていきたい。特に若い方に日本茶を飲んでいただきたいため、手軽なインスタント緑茶で間口を広げていきたい」と語った。
大茶会では、ゲストの市川ぼたんさんと市川新之助さんが、インスタント緑茶「さらさらとけるお~いお茶 抹茶入り緑茶」を使用したお茶いれ体験を行った。
吉田氏は「間口を広げるために、インスタント緑茶を使って子どもに体験していただいた。我々はフルラインアップで製品を展開しており、タイパやコスパなどにも対応していきたい」と説明した。
同社が参加している「茶業関係者×農林水産省「茶育」プロジェクト」でも間口拡大を図る。
同プロジェクトでは、農林水産省が、お茶を活用した食育「茶育」を希望する小中学校と、茶育を提供する茶業関係者の橋渡し役を担い、次世代に向けて日本茶の魅力を伝えている。
大茶会では、吉田氏から農林水産省の平形雄策農産局長に急須の贈呈式が行われた。
日本茶市場の活性化に向けて間口拡大を図りつつ、インバウンド需要の高まりにも期待を寄せる。
囲み取材に応じた本庄大介社長は「最近は外国人観光客が戻ってきたため、インバウンド需要が回復し、ドリンク・リーフともにコロナ禍前の回転に戻りつつある」と述べた。