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〈食の産学官連携⑭〉伝統のワイン醸造技術を応用 多様な発酵食品開発に寄与 山梨大学

日本で初めて、国際ぶどう・ワイン機構(OIV)に登録された日本固有のぶどう品種「甲州」。最大産地である山梨県は明治初期からワイン作りを発展させ、日本ワイン発祥の地として知られる。甲州種から作られる「甲州ワイン」は、フルーティな香りや爽やかな飲み口で国際的にも評価が高く、個性豊かなワイン作りを通じた地域振興が期待される。

ぶどう栽培やワイン醸造研究を専門とする山梨大学「ワイン科学研究センター」は、行政や地域ワイナリーと連携し「甲州ワイン」のブランド力向上や付加価値の高いワイン作りに向けた中核的な役割を担う。

山梨大学生命環境学部・ワイン科学研究センターの柳田藤寿教授は、自然界から分離した酵母・乳酸菌を応用し、ワインをはじめとする様々な飲料・食品開発を主導している。

甲府市開府500年(2019年)を記念し、サドヤワイナリーや甲府ワインポートワイナリードメーヌ久などと共同開発した「甲府Sparkling」もその一つ。

柳田教授は「甲府市内の名所旧跡から403株の酵母を分離。発酵性試験や公開テイスティングを通じて絞り込み、最終的に信玄公ゆかりの武田神社で採取された1株を選定した。“(ぶどう・酵母・醸造)オール甲府市産”のストーリーが生まれ、新たな付加価値を提案できた」と振り返る。

大豆飲料などを手掛ける白州屋まめ吉(山梨県北杜市)とは「大豆で作った飲むヨーグルト」を共同開発した(2010年)。豆乳を乳酸発酵した飲料は、当時からNBメーカーでも販売していたが、大豆特有の青臭みの低減が課題だった。

(左)「大豆で作った飲むヨーグルト」(プレーン・桃)(右)「ヴィーガンオーツバー」
(左)「大豆で作った飲むヨーグルト」(プレーン・桃)(右)「ヴィーガンオーツバー」

「われわれの製法は、大豆臭が少ない飲料用大豆『すずさやか』を生のまま丸ごと微粉砕して仕込水に溶かしこむ。乳酸菌と山梨大学が開発した『山梨ワイン酵母』で発酵させることにより、大豆臭をマスキングし芳香な風味が生まれる」としている。仕込水には白州名水を使用。おからが出ないエコ製法により食物繊維が豊富に含まれ、豆乳が苦手な人でも美味しく飲める商品に仕上げた。

今後の展開が期待されるのは、11月から発売を予定しているグルテンフリーの「ヴィーガンオーツバー」だ。

「健康志向や環境保護意識の高まりとともに、動物性食品を一切摂取しないヴィーガンに対応する食品ニーズが高まる」として、2020年から白州屋まめ吉と商品開発に取り組んできた。

「『ヴィーガンオーツバー』は、つなぎ原料として小麦粉を一切使用しない(グルテンフリー)。乳酸発酵コンニャクピューレをグルテンの代用とするほか、発酵大豆液のはたらきによってアミノ酸など旨味成分を増大させる」としている。商品ラインアップはフルーツ、チョコナッツ、野菜の3種。

「動物性材料や人工甘味料は不使用。食物繊維が豊富に含まれ、腸活やダイエットにも最適だ。まずはホテルやフィットネスクラブ、ヨガスタジオなどで、訪日外国人ヴィーガンの方や健康意識の高い富裕層に向けた販売に取り組みたい」と意欲をのぞかせている。

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