人波みをかきわけて進むロボット 子どもに冷たい飲料届けてワクワク感創出 アサヒ飲料とソフトバンクが実証実験

冷たい飲料を乗せて人波みをかきわけながら進むロボット。行き着く先で待ち受けるのは一組の親子。ロボットが停止すると女の子が近寄り喜々として飲料を受け取る――。

9月17日と18日の2日間、東京ポートシティ竹芝(東京都港区)でアサヒ飲料とソフトバンクは、ソフトバンクが開発した自律走行ロボット「Cuboid」を使い発注者の近くまで自動運転で飲料を配送する実証実験を行った。

検証の結果を踏まえ、オフィス内で忙しく働く人などを利用者と想定し、ロボットを動く自販機として活用して事業化を目指す。

アサヒ飲料の古谷和隆未来創造本部未来価値探索プロジェクト兼経営企画部事業開発グループ主任 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
アサヒ飲料の古谷和隆未来創造本部未来価値探索プロジェクト兼経営企画部事業開発グループ主任

18日取材に応じたアサヒ飲料の古谷和隆未来創造本部未来価値探索プロジェクト兼経営企画部事業開発グループ主任は「5年から10年かけて検証を繰り返していき、食料品アクセスが困難な方や労働人口減少といった社会課題の解決に貢献すべく動く自販機の検討を進めている。受注から製品の補充、配送、決済までを人手をかいさずにできるビジネスモデルを目指している」と語る。

一方、ロボットを介した配送でワクワク感の創出も狙いの1つに挙げる。「お子様だけでなく年齢の高い方にも喜んでいただけることを目指していきたい」という。

実証実験は緒についたばかりで、今回は、昨年11月から12月にかけてアサヒ飲料本社(東京都台東区)で社員60人を対象に行った実証実験に次ぐ第2弾となる。

第2弾は、点在するテーブルやベンチなどにQRコードを設定し、来場者がそれをLINEミニアプリで読み込み飲料を選択して注文すると無料で届けられる内容で実施された。

ロボットの上部に8つのドリンクホルダーがあり、注文を受けるとスタッフが氷水で冷やした飲料をドリンクホルダーに搭載。ドリンクホルダーの下には保冷剤が敷かれている。