日本ワイン「SUNTORY FROM FARM」から新ヴィンテージ 世界に誇れる品質目指す

日本ワインブランド「SUNTORY FROM FARM(サントリーフロムファーム)」から、新ヴィンテージ2品が9月12日に登場する。

世界品質を目指す日本ワインの最高峰と位置付ける「シンボル」シリーズからは、サントリー登美の丘ワイナリー(山梨県)が新たに生産を手がけるブドウ品種「プティ・ヴェルド」で初挑戦した「登美 赤 2019」(750㎖)を数量限定発売。フランス南西部原産の赤ワイン用品種で、濃い色合いと力強い風味を生かし少量をアクセント的にブレンドすることが多い。

登美の丘では90年代にプティ・ヴェルドの試験栽培をスタート。ここ10年あまりで生産規模拡大、品質向上に取り組み、30年越しの挑戦が結実した。

ワイナリーワイン事業部の大山弘平事業部長は、5日の発表会で「力強さがありながら柔らかさ、上品さが感じられる品種。しかしフェノール化合物が未成熟だと、荒々しく田舎っぽい香りになる。どこまで成熟を待って収穫できるかがカギになる」と説明。実際にブドウを食べて食味を確認しながら、収穫時期を判断しているという。

また各地の風土の個性を引き出した「テロワール」シリーズからは、「津軽シャルドネ&ピノ・ノワールスパークリング2020 グリーンエティケット」(白、750㎖)が数量限定で新登場。

農場で味見をしながら収穫タイミングを見極める - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
農場で味見をしながら収穫タイミングを見極める

リンゴ生産で有名な青森県津軽地方だが、日本のワイン黎明期である明治初期にはブドウ栽培とともにワインの試験醸造が行われた歴史があるという。サントリーは80年代後半に契約栽培を開始。20年からは弘前市、JAつがる弘前と3者協定を締結し、ワイン用ブドウの生産拡大に取り組んでいる。

今回発売するのは、瓶内二次発酵スパークリングワイン。糖度と酸度のバランスがとれた、スパークリングに適したブドウが収穫できる時期を見定め、品種の特徴に応じた醸造を行い最適なバランスでブレンドした。

「地元栽培家とともに産地の魅力を引き出した。きめ細かい泡、適度な熟成香、糖と酸のバランスを追求。津軽らしい個性を発揮しながら、世界レベルの瓶内二次発酵スパークリングを目指したい」(ワイナリーワイン事業部シニアスペシャリスト 渡辺直樹氏)。