7.3 C
Tokyo
6.4 C
Osaka
2025 / 12 / 06 土曜日
ログイン
English
トップニュースキットカット発売50周年 「史上最高」製品が新登場

キットカット発売50周年 「史上最高」製品が新登場

ネスレ日本の「キットカット」が今年、日本発売50周年を迎えた。これを機に発売以来、最大規模の製品刷新を実施。プロモーションなどでも最大規模の投資を計画する。

英国生まれで世界80以上の国・地域で販売されている「キットカット」。日本では1973年に発売、常に新たな挑戦を続け、ミルクチョコレートとサクッサク食感のウエハースとのベストバランスが支持されて国内売上№1のチョコレートブランドに成長した。

コンフェクショナリー事業本部の村岡慎太郎部長は「直近では00年に期間限定の初フレーバー『ストロベリー』発売、03年に受験応援キャンペーン、10年に『オトナの甘さ』発売、19年に紙パッケージ。最近はご当地商品がお土産品として人気で、インバウンド需要も戻ってきており、クマやサンタクロース商品のギフティング需要としても好評」と振り返る。

今年の施策は、定番2種類を組み合わせた「よくばりダブル」の発売や、古坂大魔王とピコ太郎をアンバサダーとして起用したプロモーションも好評で、TikTokは9千万回視聴された。その結果、チョコカテゴリー自体が厳しい中で、ブランド別シェアも2年ぶりに№1シェアに戻し、12月以降、大袋が復調してチョコレート大袋カテゴリーを上回る成長となった。

日本発売50周年を迎え、これを機に発売以来、「史上最高」製品を発売する。製品のポイントは「リッチなカカオ感のチョコレート」と「サクッサクのウエハース」。製品化にあたっては「お客様のインサイトを徹底的に分析し、完成までに3年かけた。日本と海外の協力で100種類以上のレシピを調査。日本のチョコレートのレベルは世界的に高いが、新レシピはさらに有意な差を実現した」。

50周年を機に、赤いパッケージの「キットカット ミニ」を大幅刷新し、リッチなカカオ感の味わいのチョコレート、サクッサク食感を実現した「史上最高」製品を9月1日以降順次切り替え発売する。その他3製品(キットカット ミニ オトナの甘さ、濃い抹茶、全粒粉ビスケットin)でもウエハースを同様に改良し、サクッサク食感で発売する。キットカットはチョコレートカテゴリーで№1シェアなので、「史上最高製品を活用してカテゴリー自体を伸ばしていく」方針。これを受けて「オトナの甘さ」シリーズと「全粒粉ビスケット」も史上最高パッケージに変更した。

「史上最高」製品を開発するにあたり徹底的に消費者調査を行い、日本人の好みや味、傾向を調べた。それをマッピングすることで見える化し、製造工程にあてはめ100種類の試作品の評価を行った。これを10種類に限定し、試食調査をして開発に至った。

生産本部製造サービス部コンフェクショナリー課のジリオ・ハファエルマネジャーは「競合に対してどちらが勝るかを調べた結果、キットカットの方が勝るとの結果が出たため発売に至った。数百人のお客様調査を行ったが、6割以上から支持された。カカオ感の強いチョコレート、発酵技術を使ったウエハース、口溶けのよいクリームを使い、最後に3つの配合率およびバランスを考えて完成した。まさに消費者調査から始まり消費者調査で終わった」という。

また、コンフェクショナリー課の新井拓実氏は「カカオ感の強いレシピに変更したため、これに合わせて工場も調製した。ウエハースは海外の技術チームや現場と意見交換し、ラインテストを繰り返した。過去の経験を乗り越えて新しい知見を見いだし、より強いサクッサク感を達成した。クリームは口溶けをよくするため新規設備を導入した。海外に意見交換と日本でのラインテストを繰り返し、最適な条件を見いだした。開発には3年かかり、内外で多くの人がかかわった。50年間食べられてきた製品なので大きく変えるのは難しかったが、世界一の食品会社をもって、この難しさを乗り越えることができた」と語った。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。