日清食品チルドは、23年秋冬シーズンから「行列のできる店のラーメン」シリーズの賞味期限を60日間に延長する。独自の新製法により「製造後60日間ずっとおいしい!」を実現。日配カテゴリーの生中華麺では異例の長さとなる。発表会の席上、伊地知稔彦社長は「賞味期限が約2か月に伸びることで、販促などで2個・3個のまとめ買いを推奨できる。今秋冬はチルド麺の新たな提案を大々的に展開し、業界の常識を変えていきたい」と意気込みを語った。
食品ロス削減、買上点数アップに貢献
新製法は麺の配合を工夫するなど長年の研究を経て実現。伊地知社長は「20年にスタートした『おいしいeco麺』プロジェクトの一環で、賞味期限延長による食品ロス削減に取り組んできた。
同年に『行列のできる店のラーメン』など生中華麺は賞味期限を20日間から40日間に延長、今秋から60日間に伸ばす」と述べ、「従来チルド麺は日配食品のため特売でもまとめ買いされるケースが少なかった。しかし賞味期限が約2か月あれば買い置きを推奨できる。新たに2個・3個のバンドル販売なども提案可能。スーパーなどで課題になっている買上げ点数アップにもお役立ちできる」と狙いを語った。
「行列のできる店のラーメン2人前」は、「こってり醤油」「こってり味噌」「担々麺」などを主力に展開。今秋はシリーズ全品のパッケージに「日清の新製法だから製造後60日間ずっとおいしい!」のキャッチコピーを使い大々的にアピールする。店頭向けには「買い置きしようゼ!」を訴求する販促ボードやPOPを用意。「横浜家系」「和歌山」「札幌」などご当地ラーメンの人気フレーバーも多い。今秋は新たに「仙台辛味噌」「鳥取牛骨醤油」の2品を追加。賞味期限の長さと豊富なラインアップを強みに「ご当地ラーメンフェア」など販促企画も提案していく。価格は税別550円。
一方、市場環境や開発背景について、延安良夫取締役マーケティング部長は「チルド麺市場は2年連続の価格改定で購入単価は上がっているものの、節約志向を背景に購入個数が減っている。当社の調査では賞味期限の短さなどに不満を持たれており、これを解消することで購買機会を増やしたい。あわせてユーザーが高年齢化しており、まだ購入率の低い40代以下のネクストユーザーを引き続き開拓する必要がある」と説明。23年秋冬商品は「基本テーマの『5K(簡便、個食、完結、健康、環境)+1H(本格)』はそのままに、①シン・ラーメンプロジェクトの推進(=「行列のできる店のラーメン」賞味期限60日で “シン・価値”を提案)②店頭エンタメ化(増量キャンペーンやアソートパックの展開などで『もっとワクワクする』売場作り)――に取り組む」とした。
新商品では、「つけ麺の達人2人前」シリーズに「濃厚豚骨みそ」をラインアップ。つけ麺カテゴリーは「魚介醤油系」が主流を占めるが、サブフレーバーの活性化を図る。税別440円。
「ドラえもん 鍋用生ちゃんぽん麺2人前」は、昨年ヒットした「ドラえもん 鍋用生ラーメン2人前」に続く第2弾。鍋にそのまま入れるだけの簡単調理が特長。今回はパッケージにドラえもんと仲間たちをあしらい、3種類のデザインを展開。税別200円。
「日清の太麺焼そば」ブランドから「日清の細麺焼そば 香る濃厚甘旨ソース2人前」を投入。細麺と濃厚なソースをあわせ、新たなニーズに応えていく。店頭向けに太麺と細麺を対比した販促企画も提案。税別295円。