三菱食品は7月26~28日、東京ビッグサイト西展示棟で「ダイヤモンドフェア2023」を開催した。昨年の同フェアで提唱した、フードライフパートナーとしての8つの価値をさらに進化させ、10年後の社会変化をふまえた買い物アクセスに着目した提案が注目を集めた。
同社の推計では、人口減少や高齢化により2040年の国内食品販売総額は約42兆円、今後15年間で約5・7兆円の縮小が予想される。また、都市部への人口集中や高齢者の自動車免許返納で、生活者の買い物アクセスは大きな変化が予想される。
こうした食品流通を取り巻く環境変化をふまえ、今回のダイヤモンドフェアでは、各エリアの人口構造や自動車保有率から導き出した“買い物アクセス”に着目。生活者が自宅から不自由なく行けるお店がどの程度あるかを分析し、3タイプを抽出した。
同社が分類した買い物アクセスの3タイプは、「密」(都市型=生活導線内にいろいろな買い物先がある)、「選」(郊外型=買い物の方向性や気持ちによりいくつかの買い物先から選ぶ)、「単」(田園型=食品流通と生活者はほぼ一対一の向き合い)。この3タイプの買い物アクセスが高齢化や生活環境の変化によって、10年後にはどのように変化するかを全国規模で示し小売業関係者の注目を集めた。
例えば、現在は商圏内に多くの小売店舗が存在する近郊都市の密・選タイプでも、高齢化の進行とともに赤色の単タイプに変化する可能性がある。団塊世代が比較的多いエリアでは、自動車免許の返納などで買い物アクセスが変化し、ネットスーパーや移動販売へのニーズが高まることや、過疎化が大きな課題となっている地域では官民一体となった地域のライフライン維持が求められるとした。