近年、猫の顔や肉球をデザインした商品が増えている。愛知県では今年8月、ジブリパークがある愛・地球博記念公園で、映画「猫の恩返し」の猫王の城をモチーフにした新エリアをオープンする予定で、名古屋市南区のテクノホライゾンが飲食店の人手不足解消のために猫型配膳ロボット「ベラボット」を展開しており人気となっている。このほか食品でも猫の形を模した商品が続々と開発されている。
ペットフード協会が実施した22年全国犬猫飼育実態調査によると、猫の飼育頭数の推定は883万7千頭、犬の推定飼育頭数705万3千頭を大きく上回っている。
その中で、名古屋市中区のオールハーツカンパニーは、「Heart Bread ANTIQUE」や「Pastel」などのベーカリー、パティスリーブランドを全国に展開する。近年は、猫型の食パン専門店「ねこねこ食パン」、猫型のチーズケーキ専門店「ねこねこチーズケーキ」を全国に展開し好評を得ている。また、流通向けの商品も強化しており、コンビニで販売している「にゃんともおいしいチーズケーキ」、チーズケーキ専門店で人気の「にくきゅうマドレーヌ」などを商品化している。また、世界的な動物愛護団体の国際動物福祉基金が2002年に制定した「世界猫の日」(8月8日)に合わせてイベントなどを検討している。
一方、名古屋市東区の敷島製パンは6月1日、お土産物として愛用されている名古屋銘菓「なごやん」をベースに、猫の肉球をモチーフにした焼き菓子「なごにゃん1個入/4個入」を新発売した。
ロングセラーの「なごやん」。愛知県産小麦きぬあかりを中心に国産小麦を100%使用したカステラまんじゅうの生地に黄味あんを包み香ばしく焼いた。誕生から60年以上、名古屋を代表する銘菓になっている。
新商品の「なごにゃん」は、なごやんと同じ黄味あんにホワイトチョコクリームを入れることで、なめらかな食感とクリーミーな甘さが楽しめる焼き菓子。ぷっくりとした肉球の形で手土産にもおすすめしている。
見た目のかわいさから売場でも目に留まりやすく、猫を飼育している、していないにかかわらず、購入動機につながると期待されている。また商品開発についても楕円形に耳をつける、肉球の形を焼き付けるなど加工のハードルも低く、今後も広がっていくとみられる。