アサヒ、ラベルレス商品好調 成長加速へ「十六茶」の「シンプルecoラベル」セブン‐イレブンで単品販売開始

 アサヒ飲料のラベルレス商品が好調に推移している。

 同社は2018年、業界に先駆けてラベルレス商品を発売開始し、以降、ラベルレス商品は右肩上がりに拡大。20年に定着化、21年に急成長を遂げ、22年の年間販売数量は前年比49%増の690万ケースを記録した。

 今年は800万ケースを目標に掲げ、1-6月累計で前年同期比24%増の397万ケースに達している。

 右肩上がりの成長には、ラベルレス商品のラインアップの拡大も寄与。現在、4カテゴリー20商品で展開し、一部商品ではタックシールを外した完全ラベルレス化を実現している。

 ラベルレス商品は、ラベルに記している法令で定められた原材料名などの必要表示内容を外装の段ボール(ケース)に記載することで販売できるようになっており、そのためケース単位のみで販売されている。

 同社はこの点でも突破口を開く。

 21年、「おいしい水」ブランドから必要表示内容を小面積のタックシールに集約した「シンプルecoラベル」を開発して、単品販売を開始した。

左からアサヒ飲料の星野浩孝マーケティング二部お茶・水グループグループリーダー、鈴木慈マーケティング二部お茶・水グループ主任 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左からアサヒ飲料の星野浩孝マーケティング二部お茶・水グループグループリーダー、鈴木慈マーケティング二部お茶・水グループ主任

 「シンプルecoラベル」の販売は上々。

 12日発表した鈴木慈マーケティング二部お茶・水グループ主任は「前年比200%超えの出荷になっている。胴部にシールを貼り付けた点が目新しく感じ取られたように思える。お客様からはエコだけではなく“高級感がある”“スタイリッシュ”“おしゃれ”といったお声をいただいている」と語る。

 ラベルレス商品の成長を加速させるべく、今回、「十六茶」でも「シンプルecoラベル」を採用する。
 18日、「十六茶 シンプルecoラベル」(660mlPET)がセブン‐イレブン限定で発売される。
 これにより、「十六茶」通常品のラベル商品と比較して、1本あたりのCO2排出量を約46%削減する。

 シールは、売場での視認性や美粧性を考慮。
 星野浩孝マーケティング二部お茶・水グループグループリーダーは「様々なデザインを検討した結果、『十六茶』通常品の白を基調としたトンマナを踏まえて総合的に判断した」と振り返る。

 インテージSCIによるとラベルレス商品の市場規模は5年で約15倍に拡大。22年市場推計規模は約78億円とされる。

 市場拡大の要因について星野氏は「ECでお買い求めになられるお客様が増えている。支持されているポイントとしては、環境負荷低減に加えて、ラベルを剥がす手間が省けるといったユーザービリティが挙げられる。加えて、各社が品数を増やしていることも挙げられる」との見方を示す。