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西本ウィズメタックHD アジア食、農水産事業が二本柱 医療食、アメニティ事業にも進出 佐々祐史社長に聞く

1912年に食品輸出入会社として神戸で創業した西本ウィズメタック(Wismettac)グループ(旧社名:西本貿易)。西本ウィズメタックホールディングス(HD)は東証上場6年目を迎え、今年1月に社長に就任した佐々祐史氏(取締役社長執行役員COO兼CFO兼管理本部長)は、新規事業の構築に意欲を示している。

日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)出身の佐々社長は、東証上場の準備にも携わり、上場の目処がつくと同時に2017年から副社長としてアメリカに出向。欧州、英国、シンガポール、香港、オーストラリアなど世界の海外子会社のディレクターを務めるなど国際経験も豊富だ。

現在の事業は、輸出サイドの「アジア食グローバル事業」と輸入サイドの「農水産商社事業」が二本柱。「2つの事業が好調なので余裕ある今こそ半歩先を見据え、人財投資を中心に、第3、第4の事業を構築したい」(佐々社長)考えだ。

最大の事業領域は、輸出の「アジア食グローバル事業」。日本食を中心としたアジア食品・食材を北米をはじめ欧州、アジア、豪州など世界中の日本食レストラン、スーパーなどに販売。売上高約3千億円のうち約2千500億円がこの事業で占めている。「北米の日本食レストランの多くが当社の食材を使っており、今では日本食、アジア食ブームでもあり、これが過去20年ほど飛躍的に伸び、利益ベースでもかなりの割合を占め、ここ2年ほどは過去最高益を更新した」。

これまでレストランやグロサリーはアジア系が多かったが、最近は米系にも浸透。食品PBはShirakiku(しらきく)ブランドをつけ、日本食ブランドとして米国全土をはじめ世界で親しまれている。

輸入サイドは「農水産商社事業」が中心で、世界各国の生鮮・冷凍加工青果、水産物などを国内の卸売市場、量販店、外食産業、食品メーカーなどに販売している。生鮮青果においては1968年に米国最大の農業生産組合であるサンキスト・グロワーズの輸入総代理元となり、現在では輸入柑橘類国内トップクラスの市場シェアを誇り、売上高約500億円。「ただし輸入は1、2年ほど仕入れ原価が値上がりし、利益的には苦戦。今後は円安が続いても耐えられるようなビジネスモデルの構築が課題」とし、テコ入れ策として日本産果実の海外展開などを強化したい考えだ。

両事業最大の強みは、商品の企画・開発、製造から直接・対面販売まで食の流通を一貫してオペレーションできるプラットフォームを自社グループが保有していること。「アメリカだけで約2万件の口座があり、パパ・ママストアから大手チェーン、回転寿司チェーンのほか、日系のグロサリーにも卸している」。コロナ禍ではレストランへの来店客が減り、逆にグロサリーが伸長。「両方を展開していたおかげで、コロナの影響をあまり受けずに済んだ」。

二本柱以外に、「アメニティ&小売事業」も展開。ハロウィンやクリスマスシーズン、バレンタインなどシーズンイベント向け商品を自ら企画・開発し販売している。現在は約50億円の売上だが、「今後はこの事業を発展させ、3つ目の事業の柱の一つにしたい」。

さらに新規事業として医療食分野にも期待している。「医療食や病院食はおいしい食事が少ない」というのが発想の発端。ドクターや医療とコラボや出資するなど、新規事業部として動き出している。さらに食品業界はデジタル化が遅れていると認識。「デジタルに精通する人材採用や、テクノロジーとリアルの融合によるプラットフォームも準備しており、食品業界全体を底上げできるよう後押ししたい」と語る。

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