髙瀬物産は6月13日、東京・後楽園プリズムホールで「業務用食品・酒類総合提案会」を開催した。出展メーカー数は120社・150小間。来場は事前登録制で、関東・首都圏エリアのホテル・レストランなどユーザー3千人を招いた。
提案会のテーマは「新・真・進 シン!外食」。新(今の外食に必要な提案)、真(これぞ外食、おすすめメニュー)、進(これからの外食に必要な提案)と、3つの“シン”を切り口に、本格回復に向けて動き始めた外食市場のトレンドを捉えた最新の商材やメニューの提案とともに、人手不足や原料コスト高を克服するための提案に力を入れた。
髙瀬物産コーナーでは「畜肉」「農産」「水産」「中華」「クリンネス&サニテーション」の各カテゴリーで、髙瀬オリジナルのPB商材やメーカー各社の重点商材を紹介。こだわりの素材を使用し、高級感を演出するメニューや、簡単オペレーションでメニュー単価アップにつながる付加価値提案が来場者の注目を集めていた。
また、新たな提案では、ホテルの朝食やサラダ・スイーツバーなど需要拡大が期待されるビュッフェメニューを強化。来店客が楽しみながら、様々なメニューをチョイスできる「カスタムビュッフェ」を提案した。インバウンドの再開や健康志向の高まりで注目されている「プラントベース」の提案にも力を入れた。
酒類では、日本初上陸となるイタリア・アストリア社のヴェネツィアコレクションボトルの「プロセッコ」をはじめサクラアワード受賞ワイン、日本ワインなど、同社が得意とする国内外のワインのほか、焼酎や日本酒など多彩なラインアップを紹介した。
同社では今期、全国80か所での提案会を予定。髙瀬知康社長は「外食はコロナ禍からの本格回復が進んでいる一方で、人手不足やコストアップの影響も深刻化している。当社では外食クオリティを維持・追求した高品質なメニューづくりと効率化への提案を進めている。また、コスト高を克服するためにはメニュー単価の引き上げも重要であり、お客様の利益につながる提案で、市場活性化に貢献していく」と意気込みを語った。今期売上高925億円を計画
なお、髙瀬物産の前3月期(22年度)業績は売上高862億円(前年比28.8%増)、営業利益32億3千万円となった。コロナの影響で20年度は同社初の赤字決算となったが、あらゆる業務の見直し・効率化や中食や病院施設など新規ルートの開拓を進めた結果、21年度は売上高670億円、営業利益1億8千万円と黒字化を実現。22年度は業務効率化の成果がフルに出てきたことに加え、年後半にかけての市場回復、さらには建築資材や車両納期の遅れによる設備投資の期ズレもプラスに寄与し過去最高益を達成した。
今期は売上高925億円(前年比7.3%増)を計画。4-5月は前年比20%強と、単月ベースではほぼコロナ前の水準に戻ってきたという。今期は4月のベースアップ(5%)のほか、新卒社員の初任給は3年連続で引き上げを実施。女性の総合職登用、外部人材の積極採用も進め、持続的な成長に向けて人的投資を強化している。