アーモンドミルクでビタミンEと牛乳1杯分のカルシウム訴求 「アーモンド・ブリーズ」トライアル喚起

ポッカサッポロフード&ビバレッジはアーモンドミルクブランド「アーモンド・ブリーズ」で、ビタミンEが豊富に含まれているというアーモンドミルクそのものの特徴に加えて、200mlあたり牛乳コップ1杯分のカルシウムが含まれている点を訴求強化していく。

節約志向の高まりなどが影響してアーモンドミルク市場の伸びが鈍化する中、新たな飲用シーンや新規顧客の開拓が狙い。

取材に応じた武田真一郎マーケティング本部ブランドマネジメント部副部長は「200m1でコップ1杯の牛乳と同量のカルシウムが摂れるのが『アーモンド・ブリーズ』の特徴。カルシウムは“摂りたい栄養素No.1”といわれていることから、改めて我々の商品を訴求していく」と語る。

この考えのもと、「アーモンド・ブリーズ」主要商品のパッケージを刷新して順次切り換えで発売開始。従来から記されている“牛乳コップ1杯分のカルシウム”の文言をアテンション風に仕立てて強調した。

主要商品の中で伸び盛りの「砂糖不使用」1Lには「日経POSセレクションGOLD2022」のアテンションを加え、36万品の商品データの中で2022年に売上伸び率上位60商品に選ばれたことも訴求している。

「砂糖不使用」1Lは、すっきりした味わいで飲み飽きず、飲み物や料理への汎用性が高い点と、1日分のビタミンEに加えて、牛乳と同程度のカルシウム量を含み※牛乳と同じように楽しめる点が継続して支持を集め、昨年は1割程度伸長した。

「コレステロールゼロで牛乳のようにゴクゴク飲めて、コーヒーなどに混ぜてもコーヒーの風味を邪魔しない点がおそらく家庭内で受け入れられている」との見方を示す。

このような好調を受けて、今年は「砂糖不使用」の延長線上の展開として、「アーモンドミルク&オーツミルク無糖」と「アーモンドミルク&ココナッツミルク無糖」の2つの200ml新商品を3月27日に新発売した。

狙いについて「砂糖不使用を好まれるお客様が非常に多く、さらにヨーロッパなどでトレンドになっている2つの植物性ミルクを同時に摂るという“ダブルミルク”商品が広がっている。植物性ミルクの新規ユーザー獲得を目的に、馴染みのあるアーモンドミルクと一緒に2つのミルクを組み合わせた」と説明する。

ダブルミルクの手応えは、昨年から一部ECチャネル企業限定で販売している「アーモンドミルク プラス オーツミルク」でも得られた。

「基幹商品とカニバリを起こすことなく、基幹商品とともに伸長した」と振り返る。

今回は「砂糖不使用」のダブルミルクとして2品を新発売した。

「アーモンド・ブリーズ」全体の取り組みとしては、新規顧客獲得に向けて外食でブランドをアピールしていく。

「アーモンド・ブリーズ」商品群 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「アーモンド・ブリーズ」商品群

「特に若年層は外食に対する意欲が高く、コロナ禍で抑制されていた。アフターコロナに向かいつつある中、外食が盛り上がりみせており、我々としてはチャンスと捉えている。外食は、商品理解につながるターゲット層との大きな接点であり、メニュー提案を含めてアプローチしていく」と意欲をのぞかせる。

新たな接点としてECも強化していく。

「ECでは、トライアルしやすいこともあってか、200mlが好調に推移している。ECは外食へのアプローチとともに引き続き強化していく」との考えを明らかにする。

自販機に向けては4月に缶商品「アーモンドミルク コーヒーテイスト」を新発売した。

「以前はカフェラテを展開していたが、外食ではアーモンドミルクのカフェラテに出会う機会が少ないことから、合わせやすいコーヒーに着目した」。

キャンペーンは、1Lサイズを対象に1000円分のQUOカードが抽選で2000人に当たる内容で8月31日まで実施している。

「アーモンド・ブリーズ」は、同社が注力するプランツミルクの領域の中で「ソイビオ豆乳ヨーグルト」と「豆乳で作ったヨーグルト」と並ぶ柱と位置付けられている。

プランツミルク市場全体については、アフターコロナになり健康への関心が防疫から通常の状態に戻っていく点に勝算を見込む。
 
「コロナ禍は、その対策が最大の関心事となり、コレステロール低減やカルシウム摂取などの健康訴求は響きにくかったが、これからはより耳を傾けてもらえる」と期待を寄せる。

そのほかアーモンドミルク関連商品としては昨秋リニューアルした「GreenBioアーモンドミルクヨーグルトプレーン無糖」を継続して展開していく。

同商品は、1日分のビタミンEと乳酸菌、食物繊維が効率よく一緒に摂取でき、コレステロールゼロ・乳製品不使用でつくられている。アーモンドは1パックで38粒相当(1粒=1g)が含まれている。

昨秋、ヨーグルトに近い食感に改良し、よりアーモンド感をより感じられるように磨きをかけた。
 
植物性ヨーグルトの選択肢の幅を広げていくのが狙いで、牛乳や豆乳のヨーグルトでは対応しきれない価値を持ったアーモンドミルクのヨーグルトを育成していく。

※日本食品標準成分表(2020)普通牛乳に含まれるカルシウム量(コップ1杯200ml当り)